新型コロナ“二類感染症外し”は「家庭内感染」助長の懸念も
それは「医療現場の混乱を防ぐため」と厚労省の担当者が本誌記者に答える。
「現在の感染症法の扱いでは、新型コロナの患者となれば軽症でも入院勧告、強制入院などの措置を取ることができます。しかし『入院勧告などがどこまで必要なのか?』を改めて検討しましょう、という運びとなりました。インフルエンザの流行が予測される秋冬を前に、医療機関の負担増大や病床不足を招かないよう、軽症者や無症状者には宿泊療養、自宅療養での対応を徹底していく方向です」
だが、この“二類外し”の措置が招く事態を大いに不安視するのは、医療ガバナンス研究所理事長の上昌広さんだ。
「無症状や軽症の人に入院勧告がされなければ、宿泊療養さえしないケースが増えるでしょう。そこで危惧されるのは、このところ顕在化してきた『家庭内感染』が増え、死者が激増してしまうことなんです」(上さん・以下同)
東京都で報告された9月1日の新規陽性者170人のうち、家庭内感染は20人と、“感染経路別で最多”の数字だ。
「家族と同居している人は『自分からうつしてしまうこと』を恐れるでしょう。そのため、たとえ無症状でも、“自主隔離”という形で入院する方もいます。