加給年金と振替加算も貰える!もっとも損しない繰り下げ方
社会保険料の1割分を差し引いた額で見てみると、夫の年金は月約14万8,500円となり、夫婦合わせた年金収入は月額で約23万3,500円となる。
「夫の会社は退職金が少ないのと、老後の定期収入は年金だけ。それだけでは足りないので、私も夫も健康なうちは働きながら、その間は年金受給を繰り下げようと話し合っています」(A子さん)
’19年の日本人の平均寿命は女性が87.45歳、男性が81.41歳。今後はより“長生きリスク”への備えが必要になってくる。
「人生設計も夫に先立たれた後、妻ひとりの生活が成り立つように、いまや80代後半までではなく90代後半、あるいは100歳までのライフプランが必要になってきます」(井戸さん・以下同)
年金受給額を増やす方法の一つに、A子さん夫婦が考えているのが「年金の繰り下げ」だ。年金は現在60〜70歳の間で、’22年4月からは60〜75歳の間で受給開始時期を選択できる。受給開始を60〜64歳に繰り上げると、1カ月あたり0.4%(現在は0.5%)差し引かれた額で一生涯受け取る。逆に66歳以降に受給開始を繰り下げると、1カ月あたり年金額は0.7%プラスされる。
「年金を繰り下げ受給するときには、注意点があります。