ベランダづたいにお相手の部屋へ…高齢者施設での赤裸々恋愛
と聞くだけで「なんて低俗な!」とピシャリ。
そんなE子さんの性格がI郎さんと出会い、大きく変わった。I郎さんは、満州やヨーロッパなど海外経験が豊富。認知症があるものの、ウイットに富んだ会話からは、時折、フランス語もこぼれる。
すっかり心を奪われたE子さんは、I郎さんが食堂にいると、チラチラと中の様子をうかがいながら入口で待機。彼が出てくると、偶然を装って話しかけ、共通の趣味である洋画やクラシックの話題で盛り上がる。
また、友人や介護スタッフに、I郎さんから「私のカワイイ嫁でねえ」と紹介されると、顔を真っ赤にして照れてしまう。
その結果、“扱いづらい”とスタッフに思われていたのが嘘のように、E子さんは穏やかに。
失恋したら大変だと、スタッフ全員で、2人の恋を応援する毎日だ。
■職員へのかなわぬ恋。嫉妬のあまり刃傷沙汰に
口数も少なく、人を寄せつけないオーラを発していたM子さんだが、唯一の例外が、石原裕次郎似の男性スタッフK助さん。ナースコールで呼び出し、カステラやまんじゅう、1,000円札が入ったポチ袋などプレゼント攻撃をしかけた。
せっかくの好意だからと、K助さんはお金を受け取り、後で家族に返していた。