ベランダづたいにお相手の部屋へ…高齢者施設での赤裸々恋愛
しかし、M子さんは自分の恋心を受けとめてくれたと勘違い。
けれどもそんな気のないK助さんは、当然のことながらほかの女性入居者にも親切に接する。その結果、M子さんは嫉妬のあまり、大泣きしたり、その女性を仲間外れにしたり、「このあばずれ!」と暴言を吐くように。
そしてついに“浮気”するK助さんにも怒りの矛先が向く。「浮気しないで!」と包丁を振り回したのだ。ほかの職員になだめられ、その場は収まったものの、K助さんは別の施設に異動。以後、二度と会うことはなかったそう。
ほほ笑ましい恋愛エピソードだが、前出・寺門さんは、留意点もあるという。
「高齢者の真剣交際や結婚は、財産問題ばかりでなく、一方が先立った場合の残された側の介護、お墓問題も出てきます。恋愛は応援しつつ、事前に両家で諸問題をクリアにすることも、必要になってくるでしょう」
今のうちから、老親の“交際宣言”への心構えが、必要なのだ。
「女性自身」2020年10月20日号 掲載