くらし情報『赤ちゃんポスト創設者が死去…設置から13年、今も続く議論』

2020年10月27日 21:34

赤ちゃんポスト創設者が死去…設置から13年、今も続く議論

田尻さんは預けられた幼児が泣きじゃくる様子を見かけたと明かし、「普通ならお母さんの顔がわかるようになっている幼児をここに預けるなんて、考えられないこと。それが現実に起こっているんです」と俯いていた。

赤ちゃんポストには匿名で子供を預けられるが、熊本市は追跡調査を行なっている。田尻さんはそうして判明した「ポストを利用する理由」が生活困窮や未婚、パートナーの問題であることに触れ、こう続けていた。

「預けに来たお母さんは、誰にも相談できず、孤立化しているのだと思います。人との絆が希薄な社会になってしまっていることの表れではないでしょうか」

いっぽう赤ちゃんポストには、当初から否定的な声が上がっていた。

07年2月、安倍晋三首相(66)は「抵抗を感じる」「子供を産むからには親として責任を持って産むということが大切ではないか」と反対姿勢を見せた。また熊本市も慈恵病院が運営を申請してから4カ月後に許可するという、慎重な姿勢を見せた。
また本誌14年2月11日号では、慈恵病院の産婦人科病棟師長として4年にわたって赤ちゃんポストに関わった下園和子さんのインタビューを掲載している。赤ちゃんポストが“匿名”であることに違和感を覚えて退職した下園さんは、本誌にこう語っていた。

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