2020年12月14日 11:00
“二度としない”を繰り返す 元DV夫が振り返る妻が出ていった日
衝撃だった。拓さんが思いもよらない答えだった。
「そこで私は、亜衣子さんを自分のものだと思っていたということに気がついたんです」
毎日のように先輩と話した。
「離婚で1人になることを恐れているけれど、それはあなたのエゴ」
そうも言われたが、離婚は考えられなかった。もう誰にも逃げられたくない一心だった。毎日、亜衣子さんに一方通行のLINEをし、彼女の実家にも足を運んだ。土下座して謝罪し、帰ってきてくれないかと頼んだが、答えはノー。
並行して「別居」「復縁」などのキーワードで検索し、NPO法人「ステップ」にたどり着いた。
虐待・ストーカー・DVの加害者更生プログラムや被害者支援を通して、家族の不健全な関係を修復するサポートを行うNPOだ。12月上旬、拓さんは横浜でのステップのプログラムに参加した。
亜衣子さんにはメールで報告をする交渉をした。ステップで学んだこと、ステップで聞いたDV被害者の生の声に亜衣子さんを重ねたこと。そんな内容のメールを毎日続けているうちにポツリポツリと彼女から返事がくるようになった。
「ステップに通うため家を空けることが増えるから、犬と猫の面倒をみてほしい。