人生後半で“やりたいこと”見つけるコツ 下重暁子さん指南
「満足して死んだなんて嘘っぽいでしょう。思いを残して道半ばで死ぬ、一緒にいたい人と死に別れる。後悔する生き方とは、死ぬときまで、なにかに情熱を持ち続けている生き方だと思うのです。『今日』に情熱を傾けて生きるからこそ、死んだら後悔が残る。けれど、それもいい死に方ではないでしょうか」
’59年、NHKに入局し、アナウンサーに(故・野際陽子さんは1期先輩にあたる)。’68年、31歳でフリーとなり、以後もともとの夢であった文筆業も並行して行い始めた。そして50代に入る前から「後半生をどう生きるか」を考えるようになったという。
「幸い仕事に恵まれた私でしたが、『好きなことをなにもしてこなかったなあ』と強く思ったんです。
大好きな音楽も“見る”専門で。そこで48歳のとき、子どものころから好きだった『クラシックで踊るバレエ』を思い立ったように始めました」
最初は友人が通っていた近所のバレエ教室に連れて行ってもらい、1年間のレッスンを受けて、発表会に出場。その経験で自信をつけると、かの松山バレエ団のビギナーズ・クラスに入団した。
「私のモットーは、『仕事は楽しく、趣味は真剣に』。バレエは、運動というより音楽なんですね。