人生後半で“やりたいこと”見つけるコツ 下重暁子さん指南
運動神経がいいことよりも、音を体で表現することができるかが大事。好きこそものの上手なれで、発表会の舞台には10年間出て、踊りました」
このように、本業でオファーが舞い込む傍らで、趣味にも「真剣に」打ち込んできた下重さん。しかしながら、これは多芸多才な彼女だからこそ、できたことなのでは?と誰もが思うのではないだろうか?
「いえ、本当に好きで、やってみたいことだったら、誰にでもできるはず。好きなことなのに、トライもしないで『明日死んでもいい』とは思えないはずですから」
確かに、そう言われればそんな気がするけれど、私たちにとってなかなかつかめそうもないのは、その“やってみたいことは何か”を見つけることなのである……。そこへ下重さんが、とっておきの“発想のヒント”をくれた。
「中学、高校生のころに戻ってみることですよ。あのとき何に感動し、何が大好きだったのか。特に、好きだったのに大人に反対され、あきらめてしまった淡い夢ーーそれが『後悔の原体験』のはずです。
私の場合はオペラ。じつは若いころは音大に進んでオペラ歌手になりたかったんです。けれど、習っていた声楽の先生に『あなたの小柄な体では、オペラ歌手は無理』と言われ、諦めた。