「がんで夫が亡くなったら」かかる治療費と減る生活費は?
全日本病院協会の「診療アウトカム評価事業」の「’19年度年間集計」を参考に試算した。
「ステージ4の場合、年間の医療費は98万352円です。これに末期がんの緩和ケアを20日行ったとして、104万1,400円を加えて、202万1,752円がかかったお金。健康保険は3割負担なので、約60万7,000円が実際に払うお金です」
1カ月におよそ5万円。がんだからといって、とてつもなく高額な治療費がかかるわけではない。
「健康保険の対象である標準治療であれば3割負担ですし、1カ月に一定以上の負担額があった場合、お金が還付される『高額療養費制度』もあります」
病気で働けなくなっても、収入はすぐに途絶えない。社会保険労務士の石田周平さんが解説する。
「病気で休職しても、給与の約3分の2が『傷病手当金』として最大で1年半受給できます。
年収を581万5,000円と仮定するなら、387万6,000円が傷病手当金の額ですね」
会社員がもっとも収入が高いのは50代だといわれている。働き盛りで亡くなってしまうと、家計にも大きな痛手となる。
厚生年金の受給資格がある夫が亡くなった場合は、妻は「遺族厚生年金」