2021年5月10日 11:00
認知症でも、女房がいれば怖くない 蛭子家が見つけた夫婦の形
になる本』(光文社)が発売。病気は世間に公表され、悠加さん一人が抱え込むこともなくなった。
とはいえ、認知症の症状はあり、悠加さんにとっては、まだまだ大変なことばかり。
「心と体が健康でなければ介護はできないということを知りました。最近は、とくにソファに座ってテレビを見ている姿なんか、くまのプーさんに見えてくるんです。介護も、よっちゃんにならって私も“自分ファースト”の姿勢を持つようにしています」
蛭子さんに、少し厳しい質問をしてみた。記憶力がなくなることに恐怖はないのだろうかと。
「そう考えればたしかに怖いですね。
ちょっとずつ物忘れはひどくなっているというか……、どんなことを忘れたかについては、忘れてしまいましたけど(笑)。でも女房がいるから大丈夫なんじゃないかな……と思いますけど」
それを受けて悠加さんが語る。
「そう大丈夫、よっちゃんが何もかも忘れても、私が全部、覚えておいてあげるからね!」
「それはありがたいね」
そう答えた蛭子さんに、悠加さんはふわりと笑いかけた。
一時は自死さえも考えたという悠加さんの心の持ちようが変わったきっかけは、“自分ファーストの介護”の大切さに気づいたこと。