「ふしぎ発見」篠原かをり 400匹の生物育て女ムツゴロウと異名
「生きもの好きは生まれてからのことなので、なぜ好きなのか、その理由はわかりません。1歳くらいのときの写真でもヒヨコを手に持っていたし、水たまりがあれば全力で駆け寄って、虫がわいていないか探していました。
ペットショップではその場から動きません。トイレに行くタイミングで連れ帰らされるので、ずっと我慢して漏らしてしまったこともありました。
さすがに友人から預かったアリが脱走して、部屋中がアリだらけになったときは戸惑いましたが(笑)」
生きものへの愛情は並々ならないが、じつはヒトは苦手で、極度の人見知り。小・中・高時代はほとんど友達がいなかった。大人になって「大学では仲間もできた」とは言うものの、今年3月、大学院卒業式の日は、
「すごく高いおすしを食べに行って、プリクラで写真を撮って、そして最後はカラオケに─。でも、その全行程が一人だったことを両親が知ると、さすがに不憫がられました。
虫好きで、ヒトとの距離感がつかめないまま26年間放置していたら、こんな仕上がりになってしまったんですね」
こう笑うが、けっして自嘲気味ではない。むしろ“ヒトとちょっと変わっていてもOK”だと思っている。