「ふしぎ発見」篠原かをり 400匹の生物育て女ムツゴロウと異名
「規律や礼儀に厳しい学校では、私は変わり者で異物みたいな存在でした。でも、どんなときも両親が私を認めてくれたし、虫がいれば幸せ。人から嫌われる虫だって、知れば知るほど魅力的なんですよ。
生物は、同じ遺伝子ばかりだと不測の事態のときに弱い。少し別の遺伝子を持った個体がいることで、種は守られます。だから私のような異物が入って多様性があったほうが、種の繁栄につながるのかもしれません」
透明のプラスチックの飼育箱にかをりさんが手を入れると、親指の頭ほどの大きさのクモが、黒い8本の足を器用に動かしながら、指から手の甲へと伝っていく。
その姿を愛おしそうに眺め、
「まだ飼い始めたばかりのタランチュラ。もう少し大きくなると個体の特徴が出てくるので、それから名前をつけようと思っているんです」
今年、慶應大学の大学院を修了したかをりさんは、あらたに日本大学芸術学部の大学院に通い、動物文学の研究を始めている。
学校に通いながら、今後も作家業、そしてテレビ・レポーター業を並行するつもりだ。
「大学時代に広告代理店でインターンを経験して、一般企業で働く適性がないことがわかりましたから、就職活動はしませんでした。