2021年6月21日 11:00
49歳で待望のわが子誕生 小松みゆき語った高齢不妊治療のリアル
着床前診断は、ようやく日本でも知られるようになったころでしたが、検査を受けていなかったら、これまで同様に育つ可能性のない受精卵を戻して、またも無駄な時間を費やしていたかもしれません」
こうしているうちに、さらに2年近くが過ぎていた。
「ずっと2人だけで暮らしてきたのだから、そんな生活が、この先も続いていくんだろうな」 夫婦共に、半ば諦めと共にそう考え過ごしていた’20年6月半ばのこと。49歳の誕生日を迎えたばかりの小松さんに、待望の妊娠が告げられる。かつてない、ある確信に満ちた喜びを心から感じていた。
「今度は受精卵の検査もして、しっかり着床するはずの卵なのだから、この先もきっと大丈夫と思えたんです」――。
昨年9月、就任以来、不妊治療への支援を掲げてきた菅首相が、その保険適用を重点政策とすることを表明。小松さんも、日本の不妊を取り巻く状況が劇的に変化しつつあるのを感じている。
「治療も大切ですが、むしろ前段階の、妊娠が可能かどうかを見極める検査の費用を支援してほしいと思うんです。
1回1万円の検査でも、積み重なると大きな負担になる。検査によって、おのずと体外受精などの回数も減るし、確率も上がるというのが、私の7年間の体験からの実感です」