2021年9月6日 11:00
実家の温もりを――。シンママたちへ居場所作った「普通の主婦」
誰かから必要とされることで、自分も元気になれるんです」
私も誰かを支え、助けになりたい──、そんな、お母さんたちの思いが生んだ場所、それがここ「じじっか」だ。
■保育士生活で学んだ「だめな人なんていない」という考えが活動の根幹に
佐藤さんは短大を出て、保育士に。しかし、夢と希望を胸に就職した保育園で、佐藤さんは理想と現実のギャップに打ちのめされてしまう。
「保育園にもやはり“できる子”と“できない子”がいて。お遊戯会や音楽会などは、園としては経営もあるから『うちに通うと、こんなにできるようになります』というのを見せたい。だから、音楽会ではできない子の鍵盤式ハーモニカはそもそも音が出ないようにしていて……。私はそれがすごいショックで」
保育士1年目。3歳児クラスのお遊戯会で佐藤さんは、あえてその、できない子を主役に抜てきした。
「いつもメソメソして返事もじょうずにできない女の子。でも、とっても優しい子なんです。私、『この子なら大丈夫』と思ってた。お遊戯会当日、その子は舞台の真ん中で大きな声で歌って、ちゃんと役を務められて。もう、その子のお母さんはもちろん、ほかの保護者も、半信半疑だった先生たちも皆、感動し、号泣でしたよ」