2021年10月11日 11:00
パラ開会式で国歌 佐藤ひらり「夢を叶えるには言い続けること」
母は娘に、被災地を応援するための曲作りを提案。その瞬間、ひらりさんの脳裏に「過去・現在・未来」という言葉が浮かんだという。
「それで、4年生になってすぐ『みらい』という初めてのオリジナル曲を作りました。私には見えないけれど、被災した人たちはいま、暗いことばかりに目がいってしまうんだろうな。でも、心の目を開いて、明るい未来を目指して歩いていこうよ。そういう思いを込めて作った曲です」
まず、被災地・福島から三条市内の施設に避難してきて暮らす人たちの前で、ひらりさんは『みらい』を歌った。その年のゴールドコンサートや、慰問に訪れた東北の仮設住宅でも。やがて、曲を聴いた人たちから「CDにして」という声が上がる。
絵美さんが言う。
「それで、自費制作したんです。1枚1千円のシングルを1千枚。それを、イベント会場などで販売したら予想以上に売れて。14年にCDの売り上げ100万円を、あしなが育英会を通じ震災遺児の人たち宛てに寄付することができました」
時間を見つけては被災地にも通い続けた。うれしかったのは、人々が少しずつ元気を取り戻す姿。「私も本当にうれしかった」とひらりさん。絵美さんもこう言って笑った。