くらし情報『仕事就けず娘と心中も考えた“無戸籍者”のSOS 支援NPOが見た貧困』

2021年12月19日 06:00

仕事就けず娘と心中も考えた“無戸籍者”のSOS 支援NPOが見た貧困

ところが、市川さんが市役所に掛け合うと、2週間くらいで仮の住民票が取れたんです。当初、やっぱりというか、市役所の窓口の担当者は熱心ではありませんでした。しかし市川さんが『今では国も無戸籍問題の解消について政策を掲げてますよ』と話すと、急に動きが早まったり。市川さんは、熱い人。よく勉強もしていて、前回窓口で生じた疑問を、次にはちゃんと理解しているんです。初めて、この人は信じていいかなと思いました」

念願の住民票が取れたときの喜びを聞こうとしたら、またも意外な言葉が返ってきた。

「うれしさが3割、怒りや葛藤が7割です。それは、20歳以下なら、もっと簡単に戸籍を取得できる方法もあったと、最近知らされたからです。
だったら、私のあの中学時代からの訴えや努力はなんだったのかと。住民票はたかが薄い紙1枚ですが、やっぱり重いです。戸籍が取れたら、運転免許を取り定職に就いて、子供たちをディズニーランドに連れていきたい」

市川さんは、こう語る。

「ミサちゃんの場合は、母親が病院の出生証明を持っていたのが大きかった。今、彼女が、自分の経験を生かして『同じ立場の人を支援したい』と、実際に行動し始めているのがうれしいです。

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