2021年12月28日 06:00
G7で最下位…日本の“労働生産性”上げるには「社長を称賛しないこと」
生産性を上げるためには『付加価値を上げること』を最優先すべきなのは明白です。しかも、単純に言えば『売上を上げる』ことですから、青天井で伸ばせるチャンスがあるということなんです」
そのために必要なのが、まず経営者の意識改革だ。「日本の経営者のスキルを上げなければならない」と、加谷さんはいう。
「ドイツでは『利益を上げない会社は社会害悪だ』と認識されており、債務超過を放置した経営者には罰則があるくらいです。日本は逆で、大企業が破綻しそうになると国が補填して守ることさえある。諸外国の経営者は、『(経営者への)就任=チャレンジ』ですが、日本の経営者は『就任=ゴール』。日本の多くの上場企業では、経営者は年功序列型で、3、4年後には後輩に地位を禅譲します。そのため、短い任期中、冒険せず問題なく過ごして、無事に退職金をもらおう……という考えになる」
その結果、経営改革の意識もリーダーシップも希薄なのだという。
「経営改革を進めていくと、日本でも欧米でも反発はあるでしょう。しかし、欧米では、反対があっても経営者は改革を推し進めますし、それに乗り遅れる人は『クビにします』といえます。それを受け入れる社員も大変ですが、そのために勉強したり研修したりするので、個々のスキルアップにつながる。