くらし情報『岩下志麻が語る北条政子像 多くの女性を庇護した“哀しい母親”』

2022年5月8日 06:00

岩下志麻が語る北条政子像 多くの女性を庇護した“哀しい母親”

により、御家人19万人の気持ちを一つにして朝廷軍を打ち破った。

その3年後、長い間、政治のパートナーとして一緒に歩んできた弟の義時が62歳で没する。

「葬儀を取り仕切ったのは政子だと思います。初代将軍であった頼朝の墓の隣に、義時の墓を造るというのは、政子でないと言い出せないでしょうから」(山本さん)

政子が、当時としては長命の69歳で亡くなったのは、その翌年だった。最近になって、死の間際のやり取りが判明している。

危篤状態の政子に、義時の長男で、彼女自らが執権に据えた泰時が、尼将軍亡きあとの身の振り方について言う。

「自分も出家します」

すると政子は、声を絞り出すようにして、

「天下を鎮守することが、恩に報いることになるのです」

と、諫めたというのだ。「後家の力を発揮し、最期の瞬間まで、夫の頼朝と作った幕府を見守り続けた政子でした」

と山本さん。
女性の歴史研究者たちは、政子の業績を正当に評価すべきと口をそろえる。野村さんも、

「長い間、日本の歴史を研究してきて、政子こそ、女性の権利を保護しようとした最初の女性政治家ではないかと思うのです。泰時の定めた御成敗式目には、女人養子(子のいない女性が養子をとって所領を譲ること)

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