2022年9月4日 06:00
元信者で脱会支援する牧師「統一教会2世は、親を否定すると自分はいなくなる」
「旧統一教会に自浄作用は期待できない。ただ、そこにしか居場所がない人も」と竹迫さん
【前編】元統一教会信者で、脱会を支援する牧師が語る“ハンカチ売り”の日々と贖罪の気持ちより続く
「ここは貧困状態に陥ってしまった人やDV被害者たちをかくまう“シェルター”として使っていた所。もちろん信者や、いわゆる2世が滞在していたこともあります」
福島県白河市の住宅街の一角。老朽化し、現在はシェルターとしては使っていないという古い民家の玄関扉をこじ開けるように開いたのは、日本基督教団白河教会の牧師・竹迫之さん(55)。
「うわ、しばらく来てないので、蜘蛛の巣が張っちゃってますね」
頭上を払うようにしながら、竹迫さんは奥の部屋に進む。そこには建物と同様に、年季の入った書棚がいくつも並んでいた。
指先でほこりを拭うようにしながら、竹迫さんは一冊の本を開いてみせた。
本の巻頭には背広姿の初老男性の肖像写真。この人物こそが「世界平和統一家庭連合(旧・世界基督教統一神霊協会。以下、旧統一教会)」の創設者・文鮮明氏(’12年没、享年92)だ。
■「安倍元首相銃撃事件」容疑者の供述でクローズアップされた「宗教2世問題」