2023年4月23日 06:00
【初告白】嘉門タツオ、天国の妻へ「二度と酒は飲まない」飲酒運転事故の供述で“浅はかな考えで嘘を”
で口火を切っていた。あくまで笑いのスペシャリストとして客を笑わせ、和ませる存在としてステージに立ったのだ。
「ライブやアルバムでのパフォーマンスとは別に、妻のことを形に残しておきたいんです」
嘉門の思いに、じっくり耳を傾ける取材は、順調に進んでいた、はずだった。
■破門、放浪、そして再び芸能界へ……。波乱に満ちた時代に、桑田佳祐から名をもらった
嘉門タツオは、1959年3月25日、大阪府茨木市で生まれた。旭屋書店に勤める会社員の父と専業主婦の母とのあいだに生まれた長男で、下に妹と弟がいる。
「音楽に目覚めたのは10歳のときです。ザ・フォーク・クルセダーズの『帰って来たヨッパライ』の世界観に影響を受けました」
世は高度成長のただなか、大阪万博開催(’70年)に浮かれていた。
地元開催に胸を躍らせながらも、嘉門は落語家・笑福亭鶴光(75)がパーソナリティを務めるラジオ番組『ヤングタウン』に夢中になり、常連投稿者となっていた。「16歳、高校生のとき、鶴光師匠を訪ね“見習い弟子”にしてもらいました。毎週土・日に師匠宅で、家事や雑事をこなしたんです」
芸名「笑光」を授かると、’78年4月、19歳で『ヤングタウン』のオーディションに合格。