20年間ひきこもりだった経験から「ひきこもり女子会」を主催する林恭子さん“原因”となった母との「和解」
母の口癖は「私の言うことを聞いていれば間違いない」。その言葉に、抵抗も、意見することもできず「いい子」でい続けた。意に沿わない高校に進んだ結果、不登校にもなったのだ。
「精神的に支配されていたように思います。思えば、私は幼いころから将来の希望とか、夢を持ったことがなかった。母から言われたことに従うだけ、それが私でした」
そんな「いい子」は20代になり、今度は「母のゴミ箱」になった。
そして、27歳。林さんは「万策尽きてしまった」と感じていた。
「不登校になって11年、私なりにこのままじゃいけないと足搔いてきたつもりです。図書館の本はすべてと言っていいほど読みましたし、病院にも長年通い、服薬にカウンセリングも。それでも、誰も私をすくい上げてくれなかった。それまで、死んでもいいとは思っても、死にたいとは思わなかった。
でも、もうこんな、なんの役にも立たないダメな人間が生きていける場所は世界のどこにもないんだろうな、そう思ったんです。もう、死ぬしかないんだろうなって」
■自分と同じ経験者、当事者と出会えたことで「ひとりじゃないんだ」と実感
林さんを踏みとどまらせたのは、精神科の8人目の担当医・I医師。