45歳で離婚、47歳で留学、60代で再婚 マツコが絶賛するアップルパイの美味しさの秘訣
そんな人です」
平野さんが体調を崩して、少し吐いたことがあった。彼はとっさに両手でそれを受けてくれた。
「弱みをさらけ出していい人がいるんだと感激しました」
NY店を畳んだころ、友人関係から一歩進んだ。
「1つ扉を閉めると、次の扉が開く。2つのことは同時には手に入らないということでしょうか」
60歳で人生はシナリオどおりに進まないと痛感し、何歳で何をしようと計画したり、年齢を数えることをやめていた。だから、イーゴさんが一回り以上年下だと知ったのは、かなり後のことだったが、イーゴさんも同じ考え方だった。
「年齢はジャストナンバー。ただの数字。
それより相性が大事」
いつしか彼と共に歩くからこそ知り得る初めての世界が、より鮮明に輝いて見えた。
知り合って5年たった2017年2月に結婚。市役所の市書記事務局で、結婚許可証をもらい、再び出向いて結婚式を挙げ、結婚証明書をもらう。それがNYでの結婚だ。
「結婚証明書をもらいに行く日は、2人ともスーツ姿の正装で、朝一番に出かけました。受け付けナンバーが1で『幸先いいじゃない』と心が弾みましたね」
母の再婚に、息子は、
「よもや、相手が幸せにしてくれる、と思うなよ。