くらし情報『浪江町避難解除も豊かな生活戻らず…環境省“デタラメ除染”後編』

浪江町避難解除も豊かな生活戻らず…環境省“デタラメ除染”後編

これ、おいしいのよね。でも、このあたりの山菜は、もう食べられない」

柿と同じく、山菜も放射性物質を取り込みやすいのだ。別稿のように、この庭土を測ってみたところ、覆土された0~5センチの土からは、覆土基準である400ベクレル/kgの8倍にあたる3385ベクレル/kgの放射性セシウムが。さらに5~10センチの深さの土を採取して測定すると、国が厳重に保管せねばならない“指定廃棄物”に該当する基準8000ベクレル/ kgを越える8400ベクレル/ kgの放射性セシウムが検出された。

「“指定廃棄物レベル”の土が残ってるんですか!やっぱり、この庭に植わっている柿の実も、ふきのとうも食べられませんね。ここでは暮らせません。ご近所の人も戻ってこないし、私ひとりだけ戻ったら、夫のようにうつになってしまう」

門馬さんは、ひとりで暮らす東京のマンションのベランダに小さな菜園をつくり、ふきのとうを植えている。

「私たちは、自然豊かで人情の厚い浪江町を、好きで出たのではないんです。
東京電力と国が起こした事故によって、追い出されて今の状態があるんです」

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