くらし情報『浪江町避難解除も豊かな生活戻らず…環境省“デタラメ除染”後編』

浪江町避難解除も豊かな生活戻らず…環境省“デタラメ除染”後編

 

しかし、避難指示解除から1年後の来春には、東京電力が支払っている精神的賠償金(ひとり月10万円)も打ち切られる。

「そうなったら、私ひとりの年金だけで、いつまで東京の家賃が支払えるか……」

今年の3月末で、政府が避難指示を出さなかった地域から避難している、いわゆる“自主避難者”への住宅支援が打ち切られる。元の自宅には戻れず、次の住居が決まっていない避難者も多い。「自主避難者の方たちは、いま大変な思いをしているでしょ。避難指示が解除されたら、私たちも“自主避難者”です。避難指示が解除されたのに、『いつまで避難してるの?』っていう白い目で見られてしまう。除染したって、まだ戻れる状況じゃないんだから、せめて住宅補償は継続してほしい」と不安を隠せない。

一度失われた豊かな暮らしは、除染で取り戻せるわけではないのだ。


取材・文/和田秀子
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