くらし情報『東日本震災乗り越え、遺児たちが届ける「天国への進学報告」』

東日本震災乗り越え、遺児たちが届ける「天国への進学報告」

と、評判だった。それでも祖母の熊谷隆子さん(76)には心配がある。

「海音はいまでも1人では2階の自分の部屋へ行けないんです。1人でいると津波を思い出して怖くなるって……。だからいつも居間で、私と2人で寝るんです」(隆子さん)

昨年、祖父の廉さんが75歳で他界。海音さんは、隆子さんと2人暮らしになった。

「おじいちゃんが亡くなったときはショックだったみたいです。ただ同じころに、作文コンクールで入選して、ハワイに行くことになって……」(隆子さん)

震災で大切な人を失った18歳以下の子どもたちが対象のコンテストで、海音さんは《(仙台の)友達とずっと仲良しでいられるように》と、書いた。
いつもは涙を見せない海音さんだが、長期休みのたびに会いに行く仙台の友達と別れて、帰るときだけは必ず泣いてしまう。

《「またすぐ会えるから」とメールがくるたびドキッとする。もう会えなくなってしまわないかと、不安になるから》

まだ13歳なのに大切な人との別れを何度も経験した海音さん。

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