伏見の酒蔵率いる42歳ママ杜氏「子育てと酒造りは似ている」
やがて長女の美雨菜ちゃん(7)と長男の清夏くん(5)が誕生。家庭での妻の素顔について、和田さんはこう語る。
「ひと言でいえば、蔵でも家でも頑張り屋。どんなに疲れて帰ってきても、子どもたちを寝かしつけるときには必ず読み聞かせをしたりしてね」(和田さん)
2人は別性を名乗っているだけではなく、未入籍のままだ。「日本では結婚となると、当たり前のように女性が“嫁に行く”というのはおかしい」との大塚さんの考えに、和田さんも同意したのだ。
「ですから、私がことさらイクメンというのではなく、行けるほうが保育園のお迎えをするし、手が空いているほうが洗濯ものを畳むというのも、うちでは当たり前のこと。彼女が、いつも酒づくりのことを考えているのはわかっています。そのひたむきさに私を含め蔵人たちも引っ張られている感じですね」(和田さん)
大塚さんの杜氏としての覚悟をとりわけ思い知らされたのは、結婚後にしたという最初の選択を、彼女から聞いたときだった。
「うちの子たちは、2人とも計画出産でした。結婚してママになろうというとき、私はすでに杜氏になっていました。