映画『昼顔』脚本家が語る、“オス化”する主婦たちのいま
でも、夫がいながら恋に落ちる女性を描き話題を呼んだ。“禁断の恋”を描く理由についてこう語る。
「昔は“昼メロ”という、恋に落ちてすべてを失う女性を描くドラマがありました。見ている人はドラマのなかで“疑似恋愛”を楽しんで、そして静かな日常に戻る……。しかしいま、そんな恋愛物語がないと思ったんです」
女性のさまざまな側面からの本音を描きたかった、と語る井上さん。執筆にあたり、主婦でありながら恋に落ちた経験のある女性たちの話も聞いた。
「実際、不倫をしている女性は、『不倫はあくまで不倫』と割り切るか、子どもを捨てそうなほどハマってしまうか、という2つに分かれています」
昨今さまざまな「不倫騒動」が報じられているように、禁断の恋は“夢物語”ではない。ドラマ終了から映画化までの3年間で、井上さんは女性たちの“変化”を感じていた。
「以前は、“昼顔妻”の友人・利佳子(吉瀬美智子)