石川さゆり『天城越え』支え続けた母と娘の女3人暮らし
はすでに他界し、現在は、母・様子さんと娘、女ばかりの3世代で暮らしている。
「娘は、おからとか、ひじきとか、私より上手なんですよ。おばあちゃんに教わったんでしょうね」
母に支えられ、娘から刺激を受けて、いまの石川さんはある。3世代で暮らす家で日々、繰り広げられるささやかで温かな日々が歌手・石川さゆりを支えている。
「私、歌のために生きたいなんて考えたことはないんです。でも、年を重ねて、自分の体の中からどんな声が出て、みなさんにどんな歌が届けられるか、やってみたい。そのためにも歌手・石川さゆりである前に、ひとりの女性として、娘として、母として、普通の生活をつくっていることが大事なんです」
デビューから45年。歌一筋にも見えた石川さんだが、ここ数年は、震災被災地の支援の活動も活発だ。
「私は、いつも“いま”なんです。限りなく、とめどなく。いま、何が気になることなのかということを、感受し、変化していきたい。ひとつに固まりたくないんです」
いまを感じ、いまを生きる。その思いが、石川さんを被災地支援に駆り立てていた。