篠沢秀夫さん天国へ…ALS闘病支える妻に送っていた直筆手紙
《ママが家にいてくれると、それだけで幸せです。外出してお帰りがおそいと、すごく心配です。元気な笑い声を聞かせ続けてね》
篠沢さんは難病発症後に、5冊の本を書き上げている。指の筋肉も衰え、しだいに筆談も困難になっていったが、妻の礼子さんが代筆をするなどして支えた。
「主人は必死で書いているんです。1時間で21文字ぐらいとすごい時間をかけて。読み取るのも大変ですが」
最後の執筆は今年2月。ALSの団体から依頼されたテーマは「安楽死」だった。
「その言葉を聞いて、主人は悲しい顔をしていました。自分は病と闘う覚悟で呼吸器をつけたわけですから“途中で安楽死”なんて負けたことになっちゃうと。だから安楽死には絶対反対。私も一日でも長く、どんな形でも生きていてほしいと思っていました」
容体が悪化したのは、今年6月に肺炎を起こしてから。
「肺にも水が溜まり、顔もむくんでかわいそうでした。でも、最後まで“弱音を吐かない人”でしたね」
礼子さんは旅立って行く夫にこう声をかけたという。