佐伯チズ「破産危機の過去」告白、“裏切り”で2億円損失も
私のお祝いというには違和感があって……」
そんな矢先、「さらに1億円を出資してほしい」と迫られた。心の糸がきれたのは、「もし銀行への借金が返せなかったらどうするの?」と尋ねたときだ。
「Aは、『自己破産すればいいじゃない。大阪の家を売ってもいいし』って。こんな言い方ありますか」
’15年7月、佐伯さんは銀座からの撤退を決めた。Aさんたちにまかせていた「チズビー」などを扱う物販会社は手離さざるを得なくなり、60以上ある「佐伯チズ」関連の商標もの大部分と顧客情報なども失った。その年の暮れ、佐伯さんはAさんの退職願を受け取った。
「あっけないものです。
私はすべてを失い、なにより信用をなくしました……」
’16年のお正月は、熱にうなされながら泣いて過ごした。
「裏切られたことが悔しくて、情けなくて」
半月も家にこもり続けたが、正月休みがあければ、予約してくれたお客さまと向かい合わなければならない。けれど、それが救いになった。