和田アキ子 歌手50年「私、歌だけは緊張するんです」
その後、“不良番長”などの異名をつけられたが、意外にも先輩歌手からの陰湿ないじめに苦しんだという。
「当時は“体の大きな女は売れない”というジンクスがあったんです。音楽番組で出演者全員がステージに並ぶとき、男性の先輩歌手に『俺が小さく見えるからとなりにいるな』って足を踏まれることもありました。楽屋が同じ女性歌手からは、『男がいると着替えられないから出て行け』って言われて、トイレでどんだけ泣いたことか」
また、度重なる病いにも泣かされた。
「歌手の命と言われる声帯のポリープの除去手術を2回、自然気胸、子宮がんと続いて、事故で足を骨折したら、みなさんから“車大破や”言われて(笑)。『神様、私にケンカ売ってんの!』と独り言をよく言うんです。でも、9年前、ニューヨークのアポロ・シアターで歌えることが決まって、歌の勉強をするために1日2箱以上吸っていたたばこをやめる決意をしました。それで私、『神様はちゃんと見てくれてるんだな』と思ったの。
神様が、『アッコ、勉強をしろ』って言ってくれているんだな、と。