理想は50代でプラマイゼロ「老前破産」を防ぐ「資産の棚卸し」
生活費をいくら切り詰めても、3人の子どもが大学に進学するたび、教育ローンが増えていった。特に、末っ子は医学部に進学したため、消費者金融にも手を出してしまった。
膨れ上がった借金をどうすることもできず、Bさんは自己破産。取り立てに追われることはなくなったが、マイホームを手放し、家族はバラバラ、子どもたちには奨学金返済が残っている。
「もう一度、家族そろって暮らしたい」とBさんは力なく語った……。
そんな『老前破産』の対策ついて、荻原さんが解説してくれた。
「真っ先に取り掛かりたいのが『資産の棚卸し』です。商店などでは、定期的に在庫数を把握し管理する『商品の棚卸し』を行います。
これと似たことを家計でも行い、現状を確認するのです」(荻原さん・以下同)
資産の棚卸し表には、「貯蓄・投資信託・株式など」、「保険」、「不動産」、「車・宝飾品など」、そして「負債」の項目を作り、金額を記入。このとき、大事なルールが、「現時点での金額、評価額」を記載することだそう。
「たとえば保険なら、死亡保障額ではなく、今、解約したら戻ってくる『解約返戻金』を記入。