理想は50代でプラマイゼロ「老前破産」を防ぐ「資産の棚卸し」
また不動産も、購入価格ではなく、今の評価額を記載します。表ができたら、資産の合計額と負債の合計額を比べてください」
ここで、目標を立てる。
「一般的なサラリーマンの方は、資産と負債を『50歳でプラスマイナスゼロ』にするのが目標です。これが達成できれば、ほぼ“勝ち組”です。というのも、住宅ローンを返済しつつ、子どもを大学に通わせると、両方で月15万〜20万円ほどかかっているはずです。この負債分をすべて貯蓄に回すと、定年までの10年間で1,800万〜2,400万円ためられるからです」
この貯蓄に退職金を加えて老後資金とし、厚生年金が夫婦2人で月20万円ほどあれば、老後はほぼ安心して暮らせる、と荻原さん。
「とはいえ50歳での住宅ローン完済は、あくまでも理想です。できない方は、これになるべく近付けるよう、自分なりの目標を立てましょう。
たとえば、当初の目標として『55歳までに負債を1,000万円以下にする』、それがクリアできたら『50代のうちにプラスマイナスゼロにする』……などです。最終的に目標にしたいのは、退職金に手を付けることなく、すべての借金を完済することです」