相本久美子「シングルマザーになっても、娘を厳しく育ててきた」
も誕生。相本さんは仕事をセーブし、子育てに全力を傾けた。
「この子を守れるのは私だけだ、と必死だったんですね。でも、男の人は子どもができてもすぐパパになれない。何で僕のことは放ったらかしなのっていう雰囲気で」
夜型のミュージシャンの夫とは生活がすれ違っていく。
「心のなかにモヤモヤをためていくという、よくないパターンに陥ってしまいました」
娘が4歳のときだった。夫からの「あなたも、そろそろ仕事を再開したら?」のひと言で、相本さんの気持ちが切れた。
「私は子どものころ“鍵っ子”で、ずいぶん寂しい思いをしたんです。
だから、少なくとも娘が小学校に上がるまでは、家庭にいてあげたかった。それなのにこの人は、私の気持ちを何もわかってなかったんだなって。いずれ限界がきてしまうと思いました」
意を決し、娘が5歳になったとき別居を申し出た。すると彼は、離婚届にサインをして持ってきた。
「そうなると私に迷いはなかった。家のなかの冷たい雰囲気をこれ以上、子どもに味わわせたくなかったですし」