くらし情報『“児童74人犠牲”大川小遺族 高裁判決への覚悟「勝たねばならない」』

“児童74人犠牲”大川小遺族 高裁判決への覚悟「勝たねばならない」

 

14年3月に23人の児童たちの遺族である19家族が起こした裁判は、いまも継続中だ。遺族が宮城県と石巻市を相手に約23億円の損害賠償を求めて起こした民事訴訟では、16年10月に県と市に約14億3千万円の支払いを命じる一審判決が出たが、被告、原告ともに控訴している。裁判について、浩行さんはいまから「その先」を見据えていると語る。

「そもそも裁判したのは、『何が起こったのか』という真相究明だったのが、控訴審では争点が『事前の防災対策が十分だったのか否か』に変わってきた。学校だから、子供を守るのは当たり前なのに。でもね、勝たなければいけないんです。裁判で被告の責任が認められれば、そこから、事故の検証や、行方不明の子の捜索、A先生との対話などに進んでいく土台になるから」

3年生だった健太くん(享年9)を失った佐藤美広さん(56)と、とも子さん(54)も、訴訟団のメンバーだ。夫婦の姿は昨年8月、阪神甲子園球場にあった。


「もし、健太が高校生になって野球を続けていたら……」

息子の遺影を手に夏の高校野球の選手宣誓を聞きながら、ふたりは涙を抑えることができなかった。

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