“児童74人犠牲”大川小遺族 高裁判決への覚悟「勝たねばならない」
震災当時、同校5年生だった二女の紫桃千聖さん(享年11)を亡くした紫桃さよみさん(51)は、最後に次のように強調する。
「千聖が帰って来ないという事実は、認めざるを得ない。それでも裁判をするのは、母として、あのときの千聖の状況や感情を、自分の子供の最後を知りたいだけなんです。これ以上、私たちのような悲しみを、ほかの親御さんたちにしてほしくない。負けそうなとき、千聖が、『ママとパパが果たす役割があるでしょ』って言っている気がして……」
高裁判決はひとつの区切りだが、それで遺族たちの闘いが終わるわけではない。真相究明は、ずっと続いていくのだ――。
(取材:鈴木利宗、加藤順子)