2018年4月10日 17:00
離婚について聞かれ……14歳息子の大人な対応(辻仁成「ムスコ飯」エッセイ)
14歳の息子が、欧米版のLINEともいえるWhatsAppというチャットで仲間たちとグループを作り、毎晩メッセージを交換しています。クラスメートの半分が参加しており、どうやら彼はそのグループのリーダーのよう。変なことを言ってくる子たちをブロックする権限を持っているのだとか。
その中の1人が息子に「ママのこと」についてしつこく訊いてくるようで、夕飯の時に、困ってるんだ、と打ち明けられました。「なんて言ってくるの?」「別に」。彼はあまり語りたがりません。そもそも余計なことは一切しゃべらない子なのです。きっと私に気を使っているのでしょう。
しかし、ここはうやむやに出来ないと思い、しつこく訊き続けたところ「親の離婚についてどう思ってるんだ、ってしつこいんだよね」と白状しました。「ブロックしないの?」「しないよ。こんなことで」。ちょっとショックでした。「でもね、悪い子じゃない。なんでも言葉にしないと満足できない子っているじゃない。そういう子の1人なんだよ」「で、どうする?」「どうもしない。出来るだけ、プライべートな質問には答えないようにしている。
すると、他の子が僕に代わって、やめろよ、とその子をいさめる。