おばたのお兄さんが父亡きあと母の背中から学んだ大切なこと「でも妻にそのイメージは求めません」/インタビュー
夫を亡くし、きょうだいを亡くしても前を向いていた母
ーーおばたのお兄さんはブログでもたびたびメンタルコントロールについて書かれていますよね。長くスポーツを続けてきて、精神力が鍛えられたのでしょうか。
おばたのお兄さん(以下、おばた)それもあるかもしれませんが、もともとは母親の影響かもしれません。母はすごい苦労人で、夫を亡くし、自分の弟と妹も亡くして、それでもすごく前向きでパワフルな人なんです。宮沢りえさん主演の『湯を沸かすほどの熱い愛』という映画があるじゃないですか。
ーー余命宣告を受ける主人公の物語で、さまざまな映画祭でいくつもの賞を受賞した作品ですね。
おばたあの作品のレビューを読むと、「実際にあんなに強い人はいない」という意見が多かったんですが、僕は「いやいや、うちの母ちゃん強いけどな」と思うくらいの母親でした。
おばた中学生のときに父親が亡くなって、葬式は僕の14歳の誕生日だったんです。
僕は当時から人前でモノマネとかをして笑かすタイプだったので、葬儀屋さんをめちゃめちゃイジったりして、家族を笑わせていました。ちょっとでもしんみりとした空気を吹き飛ばしたくて。僕がそういうふうになったのは、母の前向きな姿勢を肌で感じていたからだと思います。