【独占インタビュー】佐藤健の譲れないもの「曲がった生き方はしたくない」
「アクションシーンって見どころであると同時に、一歩間違えると観客にとって“待ち”のシーンになってしまう可能性がある。なんか戦ってるな、と漠然と眺めて、決着がついたら、そこからまた観るという方も中にはいると思っていて。そういう危うさがあるとわかっていたからこそ、この『るろうに剣心』のアクションでは絶対そうさせたくなかったんです」
ド派手なアクションを演じたからといって、必ずしもそれが面白さと等価交換になるわけではない。佐藤健は、極めて冷静にそう判断していた。アクションシーンを“待ち”の時間にしないために、佐藤健が選んだ道。それは、演じ手としてより過酷な獣道だった。
「お客さんを驚かせるくらい、すごいことをやる。裏を返すと、すごいこと以外のアクションはゼロでいいと。
だからアクションを提案されたときに、これはちょっとぬるくなりそうだなと思うものは全部排除しました。映画に出てくるのは、これは勝算があると確信できたものだけ。そんな濃縮された、観る人が没入できるものを作れた手応えはあります」
その言葉通り、スクリーンの中では、まばたきさえ惜しまれるような、スピード感と臨場感溢れる死闘が描かれている。