新レーベル立ち上げに挑戦する本広克行監督、第1弾『ビューティフルドリーマー』に込めた“押井守愛”を語る
『踊る大捜査線』シリーズのヒットメーカー・本広克行が、多大な影響を受けたと公言する押井守の原案『夢みる人』を実写化した『ビューティフルドリーマー』が公開となる。大学の映画研究会の部員たちが、部に伝わるいわくつきの台本を映画化するという本作に込めた思い、そして、知られざる押井とのエピソードなどを本広監督が語ってくれた。
本広は自ら新レーベル“Cinema Lab(シネマラボ)”を押井、小中和哉、上田慎一郎と共に設立。1960年代から70年代にかけて、商業映画とは一線を画した、作家性を前面に押し出した傑作を次々と世に送り出した映画レーベル“ATG(アートシアターギルド)”を参考にしたという同レーベルは、“限られた制作予算”のみを条件に、監督絶対主義での映画制作を謳う。なぜ新レーベルを?との問いに本広は、ここ数年、抱いてきたという危機感を口にする。
「最近、実写映画の企画が人気のアニメや漫画を原作にしたものばかりになっているんですよね。CG技術が発達し安価になって、昔は実写化が無理だと言われた作品を作れるようになってきたのも大きいんでしょうが、僕のところにくる話は全部そういうものなんです。