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特別番組「押井守とOVA」©松竹ブロードキャスティングCS放送「衛星劇場」では、「VHSを巻き戻せ!俺たちのOVA特集 vol.6」と題して、OVA作品を特集します。12月は、「リクエストSP」と題して、これまで衛星劇場のOVA特集で取り上げた作品の中から、「A KITE」や「アウトランダーズ」など話題を集めた作品を再び放送します。1月は、「押井守特集」と題して、世界初のOVA監督である押井守の作品を放送。「御先祖様万々歳!」「トワイライトQ」などのOVA作品に加えて、「ケルベロス-地獄の番犬」などの実写映画もラインナップしています。さらに押井守がOVAについて語る衛星劇場オリジナルの特別番組「押井守とOVA」も放送します。ぜひご覧ください!~リクエストSP~「A KITE」© 1998梅津泰臣GREEN BUNNYA KITE ※ R18[放送日]12月9日(月)深夜2:00~他1998年[原作・脚本・監督]梅津泰臣[声の出演]鳴瀬琴美、小山田慎吾、渋沢五郎、的場辰夫女子校生と殺人請負人の二つの顔を持つ美少女、砂羽(さわ)。表と裏の世界を巧みに使い分ける大人たちの淫靡な呪縛から逃れられず、泥沼の世界に生きている――。そんな彼女が唯一心を許せる存在の謎の少年:音分利(おぶり)。同じ性を感じながら、プラトニックに惹かれあう二人。※「スカパー! 」ほか一部、「A KITE INTERNATIONAL VERSION」に差替え放送となります。※1月放送はすべて「A KITE INTERNATIONAL VERSION」です。「MEZZO FORTE」©2000 梅津泰臣/GREEN BUNNYMEZZO FORTE ※ R18[放送日]12月2日(月)深夜2:15~他2000年[原作・脚本・監督]梅津泰臣[キャラクターデザイン]梅津泰臣ハリウッドが、そして世界が認めた鬼才が贈る、伝説のクライム・エロス・アクション!合法非合法を問わず危険な仕事の代行を生業とする少女のアクションアニメーション。TVシリーズ「MEZZO-メゾ-」の前身となる本作。※「スカパー!」ほか一部、「MEZZO FORTE International Version」に差替え放送となります。「ブラックマジック M-66」©士郎正宗・青心社ブラックマジック M-66[放送日]12月12日(木)深夜2:00~他1987年[原作]士郎正宗[監督・脚本]士郎正宗[監督・キャラクターデザイン]北久保弘之[声の出演]榊原良子、横山智佐、永井一郎、辻村真人、水島 裕、若本紀昭(現:若本規夫) ほか最高機密兵器・M-66を搭載したヘリが嵐の中、消息を絶った!軍の暗号通信から事件を知ったニュースカメラマン・シーベルは、特ダネの臭いを嗅ぎ付けヘリ墜落地点に向かう。そこで彼女が目にしたのは、軍特殊部隊と自律型機動歩兵M-66の壮絶な死闘だった。原作者・士郎正宗自らが監督・脚本を務めた。「からくりの君」©藤田和日郎/小学館・東宝・TMSからくりの君[放送日]12月13日(金)深夜2:00~他2000年[原作]藤田和日郎[監督]高谷浩利[声の出演]若本規夫、矢島晶子、中田浩二、青野武、麦人戦国の世の小さな君主の物語。領主・文渡九重は、からくり人形に没頭し、狩又貞義に攻め滅ぼされてしまった。ある日、大きな葛籠を持った少女が伝説の忍び・加藤を訪ねるが、そこにいたのは狩又の城から逃げてきた下忍・弥三郎だけ。そこへ狩又城から追手が!少女はからくり武者・太郎丸を出し忍びを圧倒する。「アウトランダーズ」©真鍋譲治・フライングドッグ・タツノコプロアウトランダーズ[放送日]12月11日(水)深夜2:00~他1986年[原作]真鍋譲治[監督]山田勝久[脚本]富田祐弘、寺田憲史[声の出演]平野文、岩田光央、横尾まり、内海賢二、寺島幹夫、外山高士、神谷明、土井美加、篠原恵美地球侵攻を開始した異星の王女カームと、なぜか彼女の結婚相手に選ばれてしまった地球人の青年テツヤ。銀河を舞台に二人の奇妙な恋愛関係を描くSFアドベンチャー。同名コミックのビデオアニメ化作品。~押井守特集~特別番組「押井守とOVA」 前編©松竹ブロードキャスティング特別番組「押井守とOVA」 前編[放送日] 1月4日(土)午後9:00~他2024年[出演]押井守、吉田尚記日本を代表する作品を多く生み出したアニメ監督、押井守。OVAの先駆け「ダロス」を初めとし、「トワイライトQ」「御先祖様万々歳!」などOVAの歴史を切り開いてきた監督へのスペシャルインタビュー番組!後編は2月に放送。「御先祖様万々歳!」©押井守/ぴえろ・SPO・OCS御先祖様万々歳![放送日]1月5日(日)午前10:00~他1989年[原作・脚本・監督]押井守[キャラクターデザイン・作画監督]うつのみやさとる[声の出演]勝生真沙子、古川登志夫、緒方賢一、鷲尾真知子、玄田哲章、山寺宏一、永井一郎押井守&うつのみやさとるのコンビが放つ、全6巻の不条理SFアニメ・シリーズ。四方田家は、サラリーマンの父、甲子国(42歳)専業主婦の母・多美子(38歳)、1人息子・犬丸(17歳)という、典型的な現代の核家族。そこへ、ある日突然、犬丸の孫だという美少女・麿子が訪ねてきた。全6話。「ダロス」©1990バンダイビジュアルダロス[放送日]1月5日(日)午後1:45~他1983年[原作・脚本]鳥海永行[監督・脚本]押井守[製作]布川ゆうじ[キャラクターデザイン・作画監督]岡田敏靖[声の出演]佐々木秀樹、池田秀一、鵜飼るみ子、榊原良子、玄田哲章、鈴木瑞穂、中田浩二21世紀末――。地球は人口増加、資源枯渇などの諸問題を月面開拓計画の実施によって一挙に解決した。月から送られてくる鉱物資源は地球を甦らせ、人々に繁栄を約束したのである。しかし、その裏には月面開拓民ルナリアンたちの犠牲があった。「トワイライトQ」©EMOTIONトワイライトQ[放送日]1月5日(日)午後4:00~他1987年[監督]望月智充(第1話)、押井守(第2話)[原案・脚本]伊藤和典(第1話)、押井守(第2話)[キャラクターデザイン]高田明美(第1話)、近藤勝也(第2話)[声の出演]兵藤まこ、冨永みーな(第1話)、瀬川哲也(第2話)、千葉繁(第2話)黎明期に誕生したSF&ファンタジーの異色作。押井守・伊藤和典を始め、後に『機動警察パトレイバー』を手掛けるメンバーが結集した幻のプロジェクト!第1話は、望月智充、伊藤和典、高田明美らの実力派スタッフが結集したタイムトラベルの傑作。第2話は、押井節炸裂の不条理劇。「機動警察パトレイバー アーリーデイズ」©HEADGEAR / BANDAI VISUAL / TOHOKUSHINSHA機動警察パトレイバー アーリーデイズ[放送日]1月5日(日)午後5:15~他1988年[原作・キャラクター原案]ゆうきまさみ[監督・絵コンテ]押井守(第1話~第6話)[監督] 吉永尚之(第7話)[原作・脚本]伊藤和典[キャラクターデザイン]出渕裕[音楽]川井憲次[声の出演]富永みーな、古川登志夫、池水通洋、二又一成、郷里大輔、大林隆之介、榊原良子、千葉繁機動警察パトレイバーをこの世に出す原点となった作品群。全7話。「ケルベロス-地獄の番犬」©1990押井守/バンダイビジュアル・フジテレビケルベロス-地獄の番犬[放送日]1月4日(土)午後3:00~他1991年[監督・脚本]押井守[音楽]川井憲次[出演]藤木義勝、スー・イーチン、松山鷹志、千葉繁※実写映画「トーキング・ヘッド」©1992押井守/バンダイビジュアルトーキング・ヘッド[放送日]1月4日(土)午後4:45~他1992年[監督・脚本]押井守[監督補]伊藤和典[音楽]川井憲次[出演]千葉繁、石村とも子、立木文彦、田中真弓、石原慎一、兵藤まこ ほか※実写映画「真・女立喰師列伝」©2007八八粍・デイズ/NBCユニバーサル・エンターテイメント真・女立喰師列伝[放送日]1月4日(土)午後6:45~他2007年[原作・総監修]押井守[音楽]川井憲次[出演]ひし美ゆり子、鈴木敏夫、水野美紀 ほか※実写映画●「VHSを巻き戻せ!俺たちのOVA特集 vol.6」詳細はこちら ●「VHSを巻き戻せ!俺たちのOVA特集 vol.5」予告動画はこちら ★CS衛星劇場ご視聴はこちらから ★ご視聴に関するお問い合わせはこちら衛星劇場カスタマーセンター:0570-001-444※受付時間10:00~20:00(年中無休)IP電話のお客様は 03-6741-7535 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2024年12月05日第1回新潟国際アニメーション映画祭が2023年3月に開催されることが決定した。5月23日、都内で行われた記者会見で発表され、審査委員長に就任した押井守をはじめ、フェスティバル・ディレクターの井上伸一郎(株式会社KADOKAWA上級顧問、元月刊「Newtype」編集長)、新潟国際アニメーション映画祭事務局長(東京)の真木太郎(株式会社ジェンコ代表)が出席。長編商業アニメーションにスポットを当てた、長編アニメーション映画のコンペティション部門をもつアジア最大の祭典の概要を語った。著名なマンガ家やアニメクリエーターを数多く輩出してきた新潟は、「にいがたアニメ・マンガフェスティバル」「にいがたマンガ大賞」といったイベントの開催や、新潟市マンガ・アニメ情報館、新潟市マンガの家を運営するなど、「マンガとアニメを活用した街づくり構想」を進めており、本映画祭の開催地に選ばれた。日本を代表するコンテンツである一方で、商業/アート、国内/海外、専門家/大衆などに分断されているアニメの文化と産業をつなぐ映画祭を目指す。対象は劇場版、配信、シリーズを含めた長編アニメで、長編部門コンペティションの他、アニメの進化に貢献した作品を紹介する「アニメーションの未来」、作家、ムーブメントを再評価する「レトロスペクティブ」、セミナーといった多彩なプログラムを予定している。新潟市中央区・新潟市民プラザ他を会場に、2023年3月17~22日に開催される予定で、約1万2000人の有料入場者数が想定されている。会見に出席した押井監督は、「今までもアニメーションのコンテストはたくさんあったが、多くはアート系のアニメーションがメインだった。今回の特徴は長編作品、エンターテインメント作品に特化しているところで、それが面白いと思った」と審査委員長を引き受けた理由を説明した。同時に、「人の作品を評価しない特殊な世界だったアニメ業界。僕から言わせれば悪しき伝統で、批評も評価もない。(映画祭に出品する)メリットがなければ、映画祭の開催は難しい」と指摘し、「海外では公開前の作品を見せるセミプレビューや、制作スタジオが互いに作品を見せ合うこともあるが、日本にはそれがないので、そういう先駆けになってほしい」と期待を寄せた。審査にあたっては「興行成績、監督の知名度といったものは無視して、情熱を感じられる作品を選ぼうと思っています。自分のポリシーで作品を選びたい」と断言。「アニメにはその周辺に声優さん、コスプレーヤー、フィギュア、ゲームなど、いろんな文化があるので、全体で盛り上がる楽しいお祭り、一般のアニメファンが集まるイベントになれば最高だと思います。業界の人間にとっても、交流の場になる」と可能性を熱弁していた。取材・文・写真=内田涼【第1回新潟国際アニメーション映画祭】英語表記:Niigata International Animation Film Festival主催:新潟国際アニメーション映画祭実行委員会後援:経済産業省、文化庁(後援申請予定)企画制作:有限会社ユーロスペース+株式会社ジェンコ特別協力:開志専門職大学/日本アニメ・マンガ専門学校会期:2023年3月17日(金)〜22日(水)毎年開催
2022年05月23日押井守監督がメガホンをとった実写映画『血ぃともだち』が2月5日、東京・テアトル新宿で特別上映された。4度にわたる公開延期によって“お蔵入り”寸前となっていた本作の“一夜限り”の上映。押井監督が舞台挨拶に登壇し「こんなに祟られた映画は、生まれて初めてですが、映画に対する恩返しのつもりで作った作品。本当に初めて観ていただき、これがおしまいなので、目ん玉開けて、しっかり観ていただければ」とチケット完売となった客席に呼びかけた。“監督絶対主義”のもと、限られた予算で制作する映画の実験レーベル「Cinema Lab(シネマラボ)」の第4弾作品。血を抜かれる快楽に魅せられた私立来栖学園高校・献血部の部員たちが、人間を襲うことができない落ちこぼれバンパイアのマイと出会い、自分たちの血で彼女を養うことを決意する。唐田えりか、尾碕真花、天野菜月、日比美思が献血部の部員を演じるほか、バンパイア一族の末裔であるマイ役を牧野仁菜が担当。献血ルームの看護師・薙野素子役で松井玲奈がゲスト出演している。2018年3月に行われた撮影について「あんなに切迫した現場は初めて。基本的には怒らない主義ですけど、ブチ切れました。とにかく時間がなくて、ロケ地も往復5時間かかる距離で遠かった」。学園ものを手掛ける上で「高校生を描くなら、実年齢(のキャスト)でやってみたかった」とキャスティングにも強いこだわりをもって臨んだが、「それが運の尽き。労働基準法をすっかり忘れていて(笑)、夜の8時までしか撮影できなかった」とも明かした。押井守 監督若いキャスト陣とのコミュニケーションにも悪戦苦闘したといい、「自分にとっては明らかに“異文化”。リドリー・スコットはいつも異文化の葛藤をテーマにしているが、バンパイアを描いたこの作品も、舞台裏も含めて、異文化とどう付き合うかという物語になっている」と自己分析。キャスト自身がスマートフォンを手に撮影したシーンもあり、「撮影部のキャメラでは、絶対に撮れない表情が撮れた。僕は関与していないが、気に入っているシーンなので、ぜひ観ていただきたい」と語った。「とにかくいろんなことがあり過ぎて、今回はさすがにダメ(お蔵入りする)と思ったが、それでは、あれだけ頑張った彼女たちに申し訳ないなと。関係者の皆さんの努力で、ここまで来られたし、これでようやく1つの区切りがついた」(押井監督)。締めくくりの挨拶では、「いきなり最後に弱気な発言をすると、この作品は今まで撮ってきた映画とはだいぶ違う。女子高生たちの普通の映画です。深く考えても無駄ですので、ひねりまくったものを期待されると、がっかりされるかも」とファンに説明し、「狙いは、いかに若い彼女たちを素直に活き活きと撮れるか。今思えば、何か仕掛けても良かったが、どのみち時間も余裕もなかったので。撮影も4年前ですし、今となっては、なんとも言いようのない映画」と話していた。取材・文=内田涼
2022年02月06日コロナ禍で2年間の公開延期となっていた映画レーベル「Cinema Lab(シネマラボ)」の第4弾作品・押井守監督『血ぃともだち』が2月5日(土)、一夜限りで上映されることが決定した。世界的に猛威をふるう新型コロナウイルスによって、大打撃を受けるエンタテインメント業界の中で、映画業界も興行では大打撃を受けている。そんなコロナ禍の2020年に立ち上がったのが本広克行監督や押井守監督、小中和哉監督、上田慎一郎監督が参加する映画実験レーベル「Cinema Lab(シネマラボ)」だ。「Cinema Lab」は、参加監督たちが日本映画界に多大な影響を与えた通称ATGこと日本アート・シアター・ギルドに着想を得て発起した、監督の作家性を最大限に活かす「監督絶対主義」で映画を制作する映画の実験レーベル。第1弾作品として『踊る大捜査線』シリーズの本広克行監督作品映画『ビューティフルドリーマー』が2020年11月に公開。第2弾作品として小中和哉監督がセルフ・リメイクに挑んだ『星空のむこうの国』を2021年7月に公開している。そして『カメラを止めるな!』で一躍トップクリエイターに躍り出た上田慎一郎監督が構想10年を経て映画化した『ポプラン』も2022年1月14日に第3弾作品として公開となった。そして第4弾が『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』や『機動警察パトレイバー』シリーズ、『スカイ・クロラ The Sky Crawlers』、『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』などで世界的な映像作家として活躍する押井守監督の最新作映画『血ぃともだち』だ。本来は2020年4月に公開予定だったが、1回目の緊急事態宣言で作品の延期が決まり、2021年3月公開予定になったが、そこでも2回目の緊急事態宣言により6月公開予定で延期が決定。さらに6月には第3回目の緊急事態宣言で3度目の公開延期となり、2021年10月公開を目指すが、4度目の延期となっていた。制作から時間が経ち過ぎていること、他のシネマラボ作品の公開の兼ね合いもあり、今作は劇場公開の予定が見えず「お蔵入り」寸前。しかし、そんな現状を打破し、押井守監督の最新作『血ぃともだち』を劇場で観たいというファンの方々のために1回限りのイベント上映が決定した。舞台は私立来栖学園高校の献血部。そこには血が抜かれる快楽に魅せられた、マキ(唐田えりか)・仁子(尾碕真花)・ナミ(日比美思)・カオル(天野菜月)の4人が集まっていた。ある日、マキは献血ルームで黒づくめの美少女・マイ(牧野仁菜)と出会う。看護師たちを相手に大暴れして気を失ったマイを、マキは思わず献血部の部室へ運びこむ。するとマイは衝撃の事実を口にする。彼女は人間を襲うことができない、落ちこぼれヴァンパイアだったのだ!儚げなマイの表情に胸打たれたマキたちは、献血がわりに自分たちの血でマイを養うことを決意するが……。出演者は、私立来栖学園高校の献血部の部長、渡部マキ役は映画『寝ても覚めても』や『ラブ×ドック』、『覚悟はいいかそこの女子。』の唐田えりか、姉御肌でザバザバした献血部員の墨田仁子役に映画『ちはやふる~結び~』『劇場版騎士竜戦隊リュウソウジャーVSルパンレンジャーVSパトレンジャー』の尾碕真花。天真爛漫な献血部員の紺野カオル役は『氷菓』の天野菜月、クールな献血部のメンバー・雲天ナミ役は『咲 Saki 阿知賀編 episode of side-A』や 『町田くんの世界』の日比美思。献血部のマキに救われる美少女吸血鬼は名門・トランシルヴァニア一族の末裔で、実は年齢は200歳くらいのマイ・ヴラド・トランシルヴァニア(MAI VLAD TRANSILVANIA)役に牧野仁菜。そして『THE NEXT GENERATION パトレイバー』などで押井組の常連の松本圭未、筧利夫、スタジオ・ジブリの鈴木敏夫、ゲスト出演として松井玲奈が登場するなど個性豊かな出演者が作品を彩る。さらに今回の一夜限りの特別上映では、押井監督の舞台挨拶も行われるという。監督が企画に携わったアニメーション映画『BLOOD THE LAST VAMPIRE』を同時上映されるということで、この貴重な機会をお見逃しなく。<押井守監督・コメント>普段の私の映画と違い、これまで投げたことのない直球で撮った映画であると同時に、これまでになく苦戦した映画でもあります。ワークショップから始めて2カ月間、若い演者たちとじっくりつきあってみて、映画制作が意外性に満ちた冒険であることをあらためて痛感しました。撮影からずいぶんと時間が経ってしまいましたが、公開されるまで完成しないのが映画ですから、こうして皆さまにお届けすることができて、この作品にようやく決着がつきます。その機会を与えて下さったテアトル新宿さんには感謝の一言です。■イベント情報『血ぃともだち』特別上映(同時上映:『BLOOD THE LAST VAMPIRE』)会場:テアトル新宿<舞台挨拶>2月5日(土)20:00の回上映前登壇※開映時間は変更になる可能性がございます。登壇者:押井守監督※登壇者は変更になる可能性がございます。チケット:2,500円(税込 / 全席指定)※特別興行のため、各種割引サービスは適用外。劇場WEB販売:1月21日(金)19時より発売販売ページ: 劇場窓口販売:1月22日(土)劇場オープン時より※インターネット販売で残席がある場合のみの販売。
2022年01月21日『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊 4Kリマスター版』IMAXの公開記念舞台挨拶が9月18日、東京・TOHOシネマズ日比谷で行われ、押井守監督と音響監督の若林和弘が登壇した。1989年に発表された士郎正宗のコミック『攻殻機動隊 THE GHOST IN THE SHELL』(講談社KCデラックス刊)を原作に、1995年に押井監督がメガホンをとり、世界中のクリエイターに衝撃を与えた本作。このたび4Kリマスターによる圧倒的な情報量の映像を、IMAX社が特許を持つ映像処理技術で音響・明度・コントラストなど、細部にいたるまで高い精度で調整することで、他の劇場では味わえない画期的な映画体験を実現している。編集機材をはじめ、当時最新のテクノロジーが駆使された本作だが、押井監督は「実際の現場はアナログだらけ。実は地味なんです」と舞台裏を告白。「監督というものは、猜疑心が強い」とも語り、「デジタルにやたら凝っちゃうスタッフもいたけど、僕は半信半疑で。面白かったは面白かったけど、例えば、編集をやっていてもアップルの爆弾(システムエラーを示すアイコン)に悩まされた。再起動に10分はかかるし、最初からやり直しだし」と振り返った。また「デジタル合成は50~60カットくらい。レンダリング(画像の生成)が重くて重くて、光学迷彩もめちゃくちゃ時間がかかった」といい、「残りのカットはCGっぽいけど、ビデオエフェクト。デジタルで作ったと言われるけど、実態は違って“手段”として使うのではなく、デジタルっぽくどう見せるかを“目的”にした」と明かした。「それと変なアフレコしたよね」と話題を切り出すと、若林氏は「(主人公の草薙)素子の声に響きが欲しいということになり、45リットルの水色のポリバケツを用意して、声優の田中敦子さんに頭を突っ込んでもらった。でも全然ダメで」と驚きのエピソードも飛び出した。IMAX版は日本を除く全世界200スクリーン以上で上映されており、IMAX上映作品としては、日本映画歴代第3位の拡大ロードショーが実現。押井監督は「こうやってスクリーンで見てもらえるのは、監督としては幸せなこと」と喜びの声をあげていた。『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊 4Kリマスター版』IMAX公開中10月1日(金)からは4Kリマスター版の通常上映も決定している。
2021年09月18日押井守監督作品、アニメ映画『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』の4K リマスター版が、2021年9月17日(金)より、IMAXシアターで上映される。また、4K リマスター版の通常上映も10月1日(金)より実施。映画『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』とはアニメ映画『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』は、1995年に公開された押井守の代表作。ビルボード誌の全米セルビデオチャート第1位を獲得するなど、全世界でヒットを飛ばした。緻密な映像で表現された魅力的なヒロインや躍動するアクション、「人間の本質」を問う普遍的なテーマが、世界中のクリエイターに影響を与え、今もなお多くのファンに愛されている。押井守の名作を4K リマスター版&IMAX上映でそんな映画『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』が、4K リマスターのハイクオリティな映像でさらなる進化を遂げて、スクリーンにカムバック。当時の技術では再現できなかった、35mmフィルムに眠る膨大な情報を引き出し、4Kの高解像度でリマスタリングすることで、描線のタッチや背景の細部、暗いシーンでの色彩表現に至るまで、より鮮やかな映像として蘇らせた。『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』の4K リマスター版は、世界最高峰の没入型映画体験ができるIMAXシアターで上映。IMAX社が特許を持つ映像処理技術で音響・明度・コントラストなど細部にいたるまで高い精度で調整し、よりハイクオリティな映画体験を実現した。なお、監督の押井守は、上映にあたり、下記の通りコメントを寄せている。<押井守 コメント全文>幸いなことに、この作品は技術の進歩のたびに、新しい形で生まれ変わってきた。今この時代に劇場で見られることを嬉しく思います。お楽しみください。映画『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』ストーリー西暦2029年―。情報化の進展と同調するように、より高度に凶悪化していく犯罪に対抗するため、精鋭サイボーグたちによる特殊部隊・公安9課、通称“攻殻機動隊”が設立された。隊長である全身義体のサイボーグ・草薙素子は、国際的に指名手配された正体不明のハッカー“人形使い”を巡る捜査に乗り出すことになるが―。【詳細】■映画『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊 4K リマスター版』IMAX公開日:2021年9月17日(金)日米同時公開上映館:全国35館■映画『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊 4K リマスター版』公開日:2021年10月1日(金)※上映館は後日発表。監督:押井守配給:バンダイナムコアーツ
2021年08月23日『踊る大捜査線』シリーズのヒットメーカー・本広克行が、多大な影響を受けたと公言する押井守の原案『夢みる人』を実写化した『ビューティフルドリーマー』が公開となる。大学の映画研究会の部員たちが、部に伝わるいわくつきの台本を映画化するという本作に込めた思い、そして、知られざる押井とのエピソードなどを本広監督が語ってくれた。本広は自ら新レーベル“Cinema Lab(シネマラボ)”を押井、小中和哉、上田慎一郎と共に設立。1960年代から70年代にかけて、商業映画とは一線を画した、作家性を前面に押し出した傑作を次々と世に送り出した映画レーベル“ATG(アートシアターギルド)”を参考にしたという同レーベルは、“限られた制作予算”のみを条件に、監督絶対主義での映画制作を謳う。なぜ新レーベルを?との問いに本広は、ここ数年、抱いてきたという危機感を口にする。「最近、実写映画の企画が人気のアニメや漫画を原作にしたものばかりになっているんですよね。CG技術が発達し安価になって、昔は実写化が無理だと言われた作品を作れるようになってきたのも大きいんでしょうが、僕のところにくる話は全部そういうものなんです。このままじゃ、日本映画はごく小さなインディーズ映画とマンガ・アニメ原作の大作のどちらかになってしまうんじゃないかと」そんな二極化、分断が進む状況に思い悩み、第三極と言える“中間”の受け皿を作れないか?という思いで設立したのがこの“Cinema Lab”であり、その第1弾として、本広が常々、最も影響を受けた存在のひとりとして挙げてきた押井守とのタッグが実現した。ここからは、本広の押井との関わり合い、そして本広から見た押井の“すごさ“についてたっぷりと語ってもらう。「最初に観た押井さんの作品は、世界初のOVA作品と言われている『ダロス』。なにやってんだ? これ……と驚いて、次に『天使のたまご』を観て衝撃を受けましたね。「意味が分からない」って言う人も多いけど(笑)、僕は“こんなすごい映画を作れる日本人がいるのか!”と。映画学校に通っていた頃、押井さんがシンポジウムに来たので、質問したんですよ。『天使のたまご』に魚が空中を泳ぐ描写が出てくるけど、どういう意味なんですか?って。そうしたら“日常を描きたかった”って。当時は全然分からなかったけど、自分がそこそこ演出の経験を積んで、後にあの作品がDVDになったときにもう一度観たら“うわっ!そういうことか”って思って、震えるほど素晴らしかったです。30年も前にそんなことを考えていたのかって」本広の代表作で、劇場版第2弾は日本の実写映画の興行収入歴代1位を記録している『踊る大捜査線』シリーズは、押井が参加した『機動警察パトレイバー』の影響を受けていると言われる。「でも脚本の君塚(良一)さんも、プロデューサーの亀山(千広)さんも、『パトレイバー』を観たことはなかったんです。純粋に『太陽にほえろ』のカウンターとして生まれたもので、刑事は走らない、叫ばない、殴らないというコンセプトで、作っていくうちに“あれ? これパトレイバーに似てるな”って気づいたんです。都市博覧会が開かれるはずだったのに、当時の青島知事が中止を決めたお台場にフジテレビの新社屋がポツンとあって、コンビニすらなくて空地だらけで、“ここでなにかドラマを作れない?”って言われたんですけど、これ『パトレイバー』じゃんって(笑)。ただ、当時は実写をやってる人間がアニメに言及するとオタクってバカにされていた時代でしたからね」押井も『踊る』シリーズは観て、気に入っていたという。「深津絵里さんが演じたすみれがいいねって言ってました。(『パトレイバー』の)南雲さんと同じような、ああいう男勝りのキャラクターが好きなんですよ、押井さん(笑)。あの作品は、なぜか庵野(秀明)さんとかも観ていて、飲み会に呼んでもらったことがありました。(『新世紀エヴァンゲリオン』のスタッフの)摩砂雪さんや鶴巻和哉さんもいて、“やべぇ! エヴァだ!”って(笑)。僕は、『踊る』で『エヴァ』の楽曲の『危機一髪』を使わせていただいてたので“すみません!”って。ビデオ化のときも、僕はあの楽曲を使いたいって言い張って、問い合わせたら庵野さんが“いいんじゃないの”って口添えしてくださったんですよ」あらためて、押井守というクリエイターのすごいところは? そんな問いに、本広は“捨てる”技術だと語る。「『パトレイバー』や『攻殻機動隊』、『イノセンス』もそうなんだけど、押井さんは、主人公を不在にしてしまうんです。でもそれで傑作にしてしまうのがすごいですよね。実写で、例えば『踊る大捜査線』でそんなことやったら猛反発ですよ(苦笑)。アニメだからできるのかなぁ……? いらないなら、(主人公を)書かなければいいって。それが押井イズムなのかな? 演出でも、『鉄人28号』の舞台の現場を見に行ったら、押井さんは途中で演出することをやめてる! なにをやってるのかと思ったら、メイキングを撮ってるんです。え? どういうこと? ってもう予測不能でした(笑)」今回の映画『ビューティフルドリーマー』は、そんな本広の押井への“愛”がつまった作品となっている。特に映研部員たちが作ろうとしている劇中映画の中身を見れば、押井ファンには本広の“本気度”が伝わるはずだ。「最初、押井さんは軽音楽部の女の子たちの話を書いてくれたんですけど、それだと僕の予算にハマらないなというのもあって、“自由にしていいよ”と言われたので映研という設定にしました。押井さんの“本当に幸せな日々を毎日繰り返すことは幸せなんだろうか?”という問いかけを描いています」希代のヒットメーカーの新たな挑戦に注目したい。取材・文:黒豆直樹『ビューティフルドリーマー』11月6日(金)テアトル新宿、シネ・リーブル池袋ほか全国順次公開(C)2020 映画「ビューティフルドリーマー」製作委員会
2020年11月05日未曾有のエンタメ業界の変革期の中、本広克行監督、押井守監督、小中和哉監督、上田慎一郎監督が参加する映画実験レーベル「Cinema Lab(シネマラボ)」が発足した。「Cinema Lab(シネマラボ)」は、参加監督たちが日本映画界に多大な影響を与えた通称ATGこと日本アート・シアター・ギルドに着想を得て発起した、監督の作家性を最大限に活かす“監督絶対主義”で映画を制作する映画の実験レーベルだ。映画化の条件は「限られた制作予算」のみ。制作過程となる企画開発、脚本、キャスティング、ロケーション、演出などすべてのクリエイティブは監督が自由に手がける。『星空のむこうの国』 の小中監督は、「『監督が自由に映画に情熱を注ぐ魂』と『商業映画』の幸福な融合ができればと考えています」とコメント。本広監督も「作家性のある作品が少なくなっている今、次世代の若者のクリエイターたちが撮りたいものを撮れる場を作れないか、というのをずっと思っていました。その土台に、押井監督、小中監督、上田監督をはじめ私達がなれればいいと思っています」と本レーベルにかける熱意を語っている。さらに第1弾作品として、本広監督による『ビューティフル・ドリーマー』を11月6日(金)にテアトル新宿、シネ・リーブル池袋ほか全国順次公開することが決定した。本作は本広監督にとって2年半ぶりとなる実写映画。自身も所属した「映画研究会」を舞台に、映画を撮ったことのない先勝美術大学映画研究会の部員たちが“いわくつきの台本”を基に、映画製作に挑む過程を映し出す。監督としてメンバーをリードする主人公のサラに、朝ドラ『まんぷく』で話題となった新進女優・小川紗良。主人公を支える部員には、『HiGH&LOW THE WORST』『私がもててどうすんだ』の神尾楓珠、劇団ナイロン100℃所属の森田甘路、『あさひなぐ』『ドロステのはてに僕ら』の藤谷理子、札幌の劇団イレブンナイン出身のヒロシエリ、本作で映画デビューを果たす内田倭史が名を連ねる。さらに、斎藤工、秋元才加、瀧川英次、升毅といった個性豊かなキャストたちが、本人役で出演。今後も参加監督の新作が順次公開される予定なので、続報に期待したい。●映画レーベル「Cinema Lab(シネマラボ)」参加映画監督:・本広克行監督『踊る大捜査線』シリーズ・押井守監督『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』・小中和哉監督『星空のむこうの国』・上田慎一郎監督『カメラを止めるな!』レーベルサイト: ●小中和哉監督コメント「映画ファンにとって、最大公約数的な大型商業映画だけでなく、意欲的、冒険的、個人的な限られた予算で制作された映画が見られることは大切なことだと思います。それが映画の裾野を広げ、テレビとは違う映画という文化を豊かにすることだと感じております。かつて日本映画にはそのような限られた予算で意欲的に制作された映画がありました。「ATG」(日本アート・シアター・ギルド)は「限られた予算」という条件と引き換えに自由を得た監督たちが勝負を挑む場として観客の注目を集めました。前衛や反体制、芸術という要素に映画ファンが興味を示した時代でした。オリジナルビデオという映画館にかからないビデオ用映画では、アクションややくざ、エロというジャンル映画が量産される中傑作が生まれましたし、ビデオ市場メイン、ミニシアター単館公開という図式で作家性の高いユニークな映画も生まれる余地がありました。しかしビデオが売れなくなり映画館での回収がメインとなった昨今、映画興行も映画制作も制限があると感じています。変化している時代に多様なジャンルの映画作品を届けるため、監督一個人ではなく、志のある映画監督が集まり、共同戦線を組み、ムーブメントを作り上げる必要を感じていました。バラバラに時々いい作品があっても、継続して一つのジャンルを作り上げないと、映画ファンには届きません。ATG映画、Vシネマに匹敵する新しいブランドが一つ存在しても良いと思うのです。そんなことを考えて本広さんや押井さんの賛同を得てシネマラボ企画は動き出しました。自主映画からスタートして商業映画に進出した大先輩・大林宣彦監督は生涯《映画監督》ではなく、《映画作家》と名乗っていました。商業主義に飲み込まれることなく、自主映画、アマチュア映画の心を忘れず、プロフェッショナルな監督ではなく、作家であろうとしてきました。今回の企画は、大型商業映画を撮ってきた押井、本広両監督は、初心に戻って個人の想いに忠実な自主映画のような作品を作ろうという気持ちがあるでしょうし、自主映画から商業映画へ活躍の場を広げた上田監督にとっては、自主映画の自由さを失わずに商業映画が撮れる場としての魅力を感じての参加だと思うのです。つまり、「監督が自由に映画に情熱を注ぐ魂」と「商業映画」の幸福な融合ができればと考えています」。●本広克行監督コメントシネマラボというレーベルは、当初小中監督から「現代のATG」を作らないかという提案から始まりました。ラボ=実験。予算に制限がありながらも監督の作家性を最優先し、後世に残る作品を生み出す事を目的としたレーベルです。映画はオールドメディアであり、長い間その形を変えていません。それをどのような形で進化させるのかをいつも考えています。興行的には、厳しいかもしれません。でも、やらないと後世に残る映画は作れない。作家性のある作品が少なくなっている今、次世代の若者のクリエイターたちが撮りたいものを撮れる場を作れないか、というのをずっと思っていました。その土台に、押井監督、小中監督、上田監督をはじめ私達がなれればいいと思っています。その第一弾となったのが、「ビューティフルドリーマー」です。ずっと押井守監督と組んで実写を撮ってみたいと思っていました。今回の為に押井監督には「夢みる人」という原案となる本を書いてもらいました。当初は登場人物が軽音楽部だったのですが、それを私なりにアレンジして映画研究会にし、主演を小川紗良さんに演じてもらいました。小川さんは実際に大学で映画研究会に入って作品を作っていて、自然と出る演出する言葉を知っているのと、信じた事に周りを巻き込んで猛進して行きそうな強い眼差しが今回の主演に絶対に必要な人でした。全ての映像作品を作っていてずっと思っていた事があります。今や当たり前のように作品の中だけで交わされる省略された無駄のない台詞を、演者から出るリアルな話し言葉を使って作品を作れないか。今では機材の性能が上がっていて、昔は録音できなかった台詞も今だからできる方法があります。急に違う作り方をすると観ている人は拒否反応がある事を知っていながらも、このシネマラボで自分なりの「実験」として、エチュードという形で映画の中の台詞をリアルに演出させてもらいました。是非この不思議な映画を、多くの人に色々な感情で楽しんでもらえればと思います。●『ビューティフル ドリーマー』主演・小川紗良コメント大学時代、サークルで映画を撮っていた私にとっては、あの頃を追体験するような日々でした。映画サークルって、色々な珍事件が起きるんですよ。データが飛んだり、お金が尽きたり、機材が壊れたり、しょうもないことで喧嘩したり、色恋沙汰がもつれたり。それでも映画を撮りたい気持ちは突っ走って、かぐや姫もドン引きな無理難題を言ってみたり。部室には余計なものがいっぱいあって、3留くらいしてる先輩が昼寝してる。”伝説のOB”はいつまでもサークルにはびこって、ああだこうだと言ってくる。本当に、映画サークルって変。それでも、サークル活動や映画撮影の在り方が変わり果ててしまった今となっては、あの変な日々も懐かしく思えたり。2020年、思いがけずこの映画は「癒し」になるかもしれません。人と人との距離の近さが生む珍事件たちに、ぜひ心をふっと緩ませてみてください。夢みる人、そしてかつて夢みた人に、届きますように。『ビューティフル ドリーマー』11月6日(金)テアトル新宿、シネ・リーブル池袋ほかにて全国順次公開
2020年08月12日本広克行監督、押井守監督、小中和哉監督、そして上田慎一郎監督が参加する映画実験レーベル「Cinema Lab」(シネマラボ)が発足。同レーベル第1弾作品として、本広監督作『ビューティフル・ドリーマー』が公開されることが決定。主演には小川紗良を迎えた。条件は「限られた制作予算」のみ!“監督絶対主義”で映画を製作Cinema Labは、参加監督たちが日本映画界に多大な影響を与えたATGこと日本アート・シアター・ギルドに着想を得て発起した、監督の作家性を最大限に活かす“監督絶対主義”で映画を製作する映画の実験レーベル。参加監督は、「踊る大捜査線」シリーズや『亜人』の本広監督、『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』の押井監督、「ウルトラシリーズ」や「いいね!光源氏くん」の小中監督、そして『カメラを止めるな!』の上田監督。映画化の条件は「限られた制作予算」のみ。映画は、製作過程となる企画開発、脚本、キャスティング、ロケーション、演出など全てのクリエイティブは監督が自由に手掛けた作品を公開。日本映画界に少し違う角度から光を照らし、映画を好きになってもらうこと、映画の魅力を再発見すること、次世代の映画監督を発掘することなど、日本映画界に貢献することを目指していくという。第1弾は本広克行監督×原案・押井守監督!新レーベルの第1弾は、本広監督にとって2年半ぶりの実写映画。今回、題材に選んだのは、監督自身も所属した「映画研究会」。映画を撮ったことのない先勝美術大学映画研究会の部員たちが挑む“いわくつきの台本”を映画化するというストーリー。新たな試みとして完全な脚本を用いず、おおよその筋だけを立て、現場で俳優や監督が口頭の打ち合わせで芝居をまとめる“口立て”を用いた手法で演出する。原案は、押井監督の「夢見る人」。連続テレビ小説「まんぷく」で注目を集めた小川紗良が、監督としてメンバーをリードする主人公のサラ役で主演。カメラ担当でサラを支えるカミオ役を神尾楓珠。助監督兼雑用係として奮闘するモリタ役を森田甘路。プロデューサーのリコ役を藤谷理子。メイク担当のシエリ役をヒロシエリ。録音担当のウチダ役を内田倭史。OBとしてメンバーを支えるタクミ役を斎藤工。確かな演技力で撮影に貢献するサヤカ役を秋元才加。そして、瀧川英次と升毅が本人役で出演する。本広監督「映画の中の台詞をリアルに」映画について本広監督は「ずっと押井守監督と組んで実写を撮ってみたいと思っていました。今回の為に押井監督には『夢みる人』という原案となる本を書いてもらいました。当初は登場人物が軽音楽部だったのですが、それを私なりにアレンジして映画研究会に」と語り、「全ての映像作品を作っていてずっと思っていた事があります。今や当たり前のように作品の中だけで交わされる省略された無駄のない台詞を、演者から出るリアルな話し言葉を使って作品を作れないか。今では機材の性能が上がっていて、昔は録音できなかった台詞も今だからできる方法があります。急に違う作り方をすると観ている人は拒否反応がある事を知っていながらも、このシネマラボで自分なりの『実験』として、エチュードという形で映画の中の台詞をリアルに演出させてもらいました。是非この不思議な映画を、多くの人に色々な感情で楽しんでもらえればと思います」と新たな試みについて話した。また主演の小川さんは「大学時代、サークルで映画を撮っていた私にとっては、あの頃を追体験するような日々でした。映画サークルって、色々な珍事件が起きるんですよ。データが飛んだり、お金が尽きたり、機材が壊れたり、しょうもないことで喧嘩したり、色恋沙汰がもつれたり。それでも映画を撮りたい気持ちは突っ走って、かぐや姫もドン引きな無理難題を言ってみたり。部室には余計なものがいっぱいあって、3留くらいしてる先輩が昼寝してる。”伝説のOB”はいつまでもサークルにはびこって、ああだこうだと言ってくる。本当に、映画サークルって変」とふり返り、「思いがけずこの映画は『癒し』になるかもしれません」とコメントしている。『ビューティフル・ドリーマー』は11月6日(金)よりテアトル新宿、シネ・リーブル池袋ほか全国にて順次公開。(cinemacafe.net)■関連作品:ビューティフル・ドリーマー 2020年11月6日よりテアトル新宿、シネ・リーブル池袋ほか全国にて順次公開(C) 2020 映画「ビューティフルドリーマー」製作委員会
2020年08月12日フィルムセンターの上映企画「自選シリーズ 現代日本の映画監督」から「押井守監督特集」が開催決定。東京国立近代美術館フィルムセンターにて2017年1月10日(火)から1月22日(日)までの期間で上映される。「自選シリーズ 現代日本の映画監督」とは、1980年代以降の日本映画を牽引してきた映画監督の中から毎回1人にスポットを当て、監督自ら選定した作品を上映する企画。作品を通して、デビューから現在までの足跡をたどり、現代日本映画の原点を探る試みを行っている。第5回目となる今イベントでは、押井守監督を迎える。舞台監督や小説家、ゲームシナリオ作家としても活躍する押井の作品は、アニメーションと実写を往還・融合し、独自の映像世界を圧倒的な映像美で描く。彼の95年の作品「GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊」では、その世界観と緻密な映像構成でジェームズ・キャメロンらに大きな影響を与えた。2015年の作品である、女子校を舞台にしたサスペンススリラー『東京無国籍少女』では、役者の身体表現や躍動性を追求し、迫真迫るクライマックスを演出。また、2016年の『ガルム・ウォーズ』では、15年をかけた構想を実写とアニメーションで表現するなど、彼の作品は常にそれまでの映画の枠組みを拡大し続けてきた。【開催概要】自選シリーズ 現代日本の映画監督5 押井守監督特集会期:2017年1月10日(火)~1月22日(日)会場:東京国立近代美術館フィルムセンター 大ホール住所:東京都中央区京橋 3-7-6上映:押井守監督作品 12プログラム (各プロ2回ずつの上映)※上映作品は順次発表される予定。
2016年08月06日押井守監督が実写とアニメを組み合わせて製作した最新作『ガルム・ウォーズ』が5月20日(金)に公開を迎え、押井監督、日本語版で主人公の声を担当した朴ロ美、宣伝コピーを担当した虚淵玄が舞台挨拶に登壇した。押井監督が自身の脚本を英訳し、海外キャストで北米ロケを敢行し、日本語版プロデューサーをジブリの鈴木敏夫が務めたことでも話題の本作。戦争に明け暮れる星アンヌンを舞台に神話のような物語が展開する。夜の9時台の舞台挨拶となったが、会場は熱い押井ファンであふれ、これには押井監督も朴さんも感激しきり。押井監督は「いつも(笑)!お世話になっております」と挨拶し笑いを誘う。実は、朴さんと押井監督はこの日がほぼ初対面。押井監督曰く「日本語版は鈴木敏夫に任せていて、互いに口出ししない紳士協定があった」とのことで、声優のキャスティング、アフレコなどにも全く関わってないという。朴さんは、アフレコを「アットホームだった」とふり返り、スタジオで鈴木プロデューサーとも対面したことを明かしたが「(顔を)存じ上げず、作務衣を着た方に『きみの鼻にかかった声もいいね』と言われて『ありがとうございます』と言ったんですが、あとからそれが鈴木さんと知り、ヒイッ!っとなりました」と冷や汗体験を告白。すると押井監督は「鈴木敏夫は服を着てましたか?あの男、アフレコ現場でよくパンツ一丁になるから」「(鈴木氏の朴さんへの発言は)偉そうだけど、たぶん、遠慮があったと思う。女優に弱いし好かれようというヨコシマな心を持ってるから」「朴さんがいなかったら脱いでる。チンパンジーと一緒」などと鈴木プロデューサーの悪口を吐き続ける!この日、鈴木プロデューサーはカンヌ国際映画祭に赴いていたために欠席したが、出会って30年以上になる2人の複雑な(?)関係性に観客は爆笑!それでも押井監督は日本語吹き替え版の出来栄えについて「鈴木敏夫が言っていたことを認めるのはシャクだけど、日本語版になって情緒みたいなものが出て、優しく柔らかくなっている」と鈴木版日本語吹き替えに納得の表情を見せていた。日本での公開に、カラを演じた新鋭メラニー・サンピエールから祝福の手紙が届き、朴さんが代読したが、押井監督は朴さんから「目が潤んでますよ」と指摘され、慌てて「ライトがまぶしいだけ!」と否定。それでも、おかっぱに黒髪で臨んだオーディションを経ての抜擢から、体を絞っての過酷な撮影、肺炎の身をおしての執念を称え「孫みたいなものです」と満足そうに笑みを浮かべていた。本作は17年前に構想するも、中断し、今回やっとの思いで実現にこぎつけた作品。押井監督は「断念したことはなかったけど、中止命令が出て、全員が解雇されたんです。でもしつこくやろうと思ってたし、(契約上)捨てなきゃいけない資料も隠し持ってました。こういう形で実現するとは」と感慨深げ。「いつものことですが、(興行で)パッとしない結果が出ても僕はめげない!10年後もこの作品がスクリーンにかかっていることを信じてます」と力強く語り、ファンから喝采を浴びていた。『ガルム・ウォーズ』は全国にて公開中。(text:cinemacafe.net)
2016年05月21日押井守が原作・脚本・監督と一人3役を務める最新作『ガルム・ウォーズ』。このほど、本作に色濃く映るケルト文化のきっかけとなった、「スタジオジブリ」鈴木敏夫プロデューサーとの30年前のアイルランド旅行の超貴重なオフショットが解禁となった。押井守監督が構想15年、製作費20億円をかけ、カナダでオールロケを敢行した実写とアニメが融合するハイブリットアニメーションとなる本作。遙かなる古代、戦いの星・アンヌンを舞台に、空の部族・コルンバの女性飛行士「カラ」、陸の部族・ブリガの兵士「スケリグ」、情報操作に長けた部族・クムタクの老人「ウィド」が出会い、敵同士でありながら、創造主・ダナンがつくったクローン戦士・ガルムの真実を探る旅に出る物語だ。本作は、1990年代後半、幻のプロジェクト『G.R.M.』(=通称「ガルム戦記」)が立ち上げられた当初から、ケルト文化の影響を色濃く受けて構想されてきた。ケルトとは、キリスト教文化が広まる以前に、中部ヨーロッパから現在のアイルランド島を含むイギリス諸島にかけて文明を築いた民族。その伝承や文化には、現代のファンタジー映画・ドラマ・アニメなどは少なからず影響を受けており、今回『ガルム・ウォーズ』として具現化された本作の映像中にも、ケルト由来の渦巻文様や登場するキャラクターの呼称(神の名ほか)、そしてケルト語を祖とするゲール語によって歌われた主題歌など、押井監督によるケルトへのこだわりがいたるところに散りばめられている。実は、押井監督がケルトに惹かれたきっかけには、いまから30年前、鈴木プロデューサーと宮崎駿監督が大きくかかわっている。『天空の城ラピュタ』が公開された1986年、鈴木氏と宮崎監督は、両氏がその才能を高く評価していた若き日の押井監督をともなって、ケルト文化の遺跡が多く残るアイルランド地方へ旅をしていたのだ。アイルランドで目にした荒涼とした光景に、押井監督は自身の原風景を感じたという。「とにかく、その風景に目を奪われた。この世の果てみたいに寂寞としていてさ。いつかここで映画を撮ってみたいと思ったんだ」と、監督は述懐している。今回解禁となった貴重なオフショットは、そのときの模様をとらえたもので、アイルランドの情景から広がった押井監督の空想世界が、『G.R.M.』、そして『ガルム・ウォーズ』へと結実、ついにスクリーンに映し出されることになる。『ガルム・ウォーズ』は5月20日(金)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2016年05月18日『攻殻機動隊』シリーズ 、『イノセンス』などを手がける押井守監督が、構想15年をかけて異国の地・カナダで全身全霊を捧げて撮影してきた『ガルム・ウォーズ』。この度、本作の世界観を映し出した場面写真が解禁となった。遙かなる古代、戦いの星・アンヌン。ここには創造主・ダナンがつくったクローン戦士・ガルムと彼らから神聖視される犬・グラと、鳥が生息している。ガルムはたとえ命を落としても、その個体の記憶をクローンの脳に転写することで、幾世代も生き延びてきた。ダナンが星を去った後、覇権をめぐり3部族の抗争が続いていた。ある日、空の部族・コルンバの女性飛行士「カラ」は、陸の部族・ブリガの兵士「スケリグ」との戦闘の最中、情報操作に長けた部族・クムタクの老人「ウィド」と出会う。我々は何処から来て何処へ行くのか。ウィドが投げかける不可思議な問いによって、敵同士である彼らの間に奇妙な連帯が生じ、3人は「ガルムの真実」を探る旅に出る。しかし、それは神の怒りに触れる行為だった――。かねてより「実写とアニメーションは融合して区別がつかなくなる」と提唱してきた押井監督は、『イノセンス』『スカイ・クロラ The Sky Crawlers』など数々の作品を共にしてきた世界的アニメーション製作会社「Production I.G」とオール北米ロケを敢行。言葉も通じぬ異国の地で、日本人は監督含めスタッフ7人。外国人俳優を起用して撮影に挑み、アニメーションと実写の境界線を越えた新しい映像を作り上げた。また、スタジオジブリ・鈴木敏夫が、盟友・押井監督を支えるため、本作の日本語版プロデューサーに就任。『イノセンス』以来、12年ぶりの強力タッグとなっている。これまで実写とアニメを交互に作り続けるという監督人生を送ってきた押井監督。本作はアニメーションの手法で作られた実写作品であり、そんな押井監督の集大成となる作品ともいえる。アニメ作品では、絵を描くスタッフが実際の画面を描き始める前に、絵コンテやイメージボードと呼ばれる準備段階にしか使用しないグラフィックを大量に作り、映画のイメージをじっくりと練り上げるのだが、本作でも、アニメ同様の入念な準備をして撮影に臨んでいる。さらに、撮影後の画面加工についても通常の実写作品とは異なり、動画を構成する画像の1枚1枚を、加工専門のスタッフが極限まで美しく仕上げる方法を採っている。その結果、今回公開された場面写真からも分かるように、映画の1コマ1コマが絵画の作品であるかのような高品質なクオリティーとなっている。このコマ同士がつながったときに一体どんな映像がスクリーンに映し出されるのか、公開を楽しみに待ちたい。『ガルム・ウォーズ』は5月20日(金)より全国にて公開。(cinemacafe.net)
2016年04月20日押井守監督が、構想15年、製作費20億円を投じて完成させた最新作『ガルム・ウォーズ』。日本語版プロデューサーを鈴木敏夫が務めたことでも注目される本作の公開に先駆け、押井監督と鈴木さんの2人が、早稲田大学・伝統の講義「映画のすべてマスターズ・オブ・シネマ」に登場し、現役早大生500人に向け白熱教室を行った。遙かなる古代、戦いの星・アンヌン。ここには創造主・ダナンがつくったクローン戦士・ガルムと彼らから神聖視される犬・グラと、鳥が生息している。ガルムはたとえ命を落としても、その個体の記憶をクローンの脳に転写することで、幾世代も生き延びてきた。ダナンが星を去った後、覇権をめぐり3部族の抗争が続いていた。ある日、空の部族・コルンバの女性飛行士「カラ」は、陸の部族・ブリガの兵士「スケリグ」との戦闘の最中、情報操作に長けた部族・クムタクの老人「ウィド」と出会う。我々は何処から来て何処へ行くのか。ウィドが投げかける不可思議な問いによって、敵同士である彼らの間に奇妙な連帯が生じ、3人は「ガルムの真実」を探る旅に出る。しかし、それは神の怒りに触れる行為だった――。去る4月16日、早稲田大学の大隈記念講堂大講堂にて、本作の公開を記念した早稲田大学特別講義「映画のすべてマスターズ・オブ・シネマ」が開催。本講義は、今年で12年目を迎える人気講義とあって、講堂には早稲田大学の全学部生から500人が詰めかけた。登壇した押井監督と鈴木さんは30年以上の付き合いとなるが、「(鈴木さんとは)腐れ縁の典型例みたいな付き合いです」(押井さん)、「なんだかんだ言って、(押井監督は)僕を必要なんでしょうね~」(鈴木さん)と、友情溢れるトークを展開した。押井監督が本作を作ったきっかけについて「僕らの若い時代は、戦後の革命の時代だった。この世界を作ったのは誰か。戦争というものを背景にもった世界にずっと興味があった。それをベースに、ファンタジーを作ろうと考えて作った」と明かすと、鈴木さんは「押井さんは、人間が生み出したモノが好き。この映画の主人公(カラ)もそう。それが滅びゆく美しさを描いたのが、この『ガルム・ウォーズ』という作品です。それをふまえて観ると、ものすごく面白い作品だと思う」と、長年の付き合いで培った押井監督の考察を踏まえてコメント。押井監督は「作ったことというよりも、失われてゆく過程に興味がある。人間がいなくなっても、世界は変わらない。人間というのは、本来要らないものだから。生まれる過程よりも、壊れる過程を考える方が、ずっと本質が見えてくる」と、本作の根幹に触れた。また、学生からは多くの熱い質問が投げかけられ、「日本の邦画実写映画をどうしたらもっと盛り上げられるか、未来の予想図を教えてください」という問いには、鈴木さんは「日本にこだわる必要って本当にあるのだろうかって思います。僕はいま、タイって国に非常に注目している。日本映画の10倍の予算をかけて、アジア全域で観られる映画を作っている。日本人が面白い映画をつくりたかったら、まずは盛り上がっている現場に行っちゃったらいいと思います!」と回答。押井監督は「僕はまず、現場に入れと言いたい。映画の仕事をしたいと思っている人の大半が監督になりたいと思っていると思うけど、映画の仕事の中で監督の仕事はあくまで全体の一部でしかない。映画の仕事がしたいなら、まずは現場の人間になりなさい。どんな仕事でもいい。映画をつくるには色んな職種があります。自分は何をしたいか、何が向いているか、そういうことは現場に入らないとわからない。監督になりたいって考えを捨てた方がはるかに可能性は広がると思う」とアドバイス。そして「どうしても監督になりたい人には、とっておきの手があります。小説、音楽とか漫画とか違うジャンルで偉い人になりなさい、そうすれば映画が撮れます、間違いなく。一本だけはね(笑)」と、監督になるための近道(?)を披露し、会場を沸かせた。『ガルム・ウォーズ』日本版は5月20日(金)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2016年04月19日『攻殻機動隊』シリーズや『機動警察パトレイバー』シリーズなどで知られる映画監督の押井守氏が構想に15年をかけて撮影した映画『GARMWARS ガルム・ウォーズ』の原点であるアニメーション『G.R.M』パイロット版映像の冒頭1分間が公開された。『ガルム・ウォーズ』の舞台は古代、戦いの星アンヌンにて創造主・ダナンが作ったクローン戦士・ガルムの真実を探る旅に出る、しかしそれは神の怒りに触れる行為だった……といったストーリー。『イノセンス』、『スカイ・クロラ The Sky Crawlers』などの作品を制作してきたアニメーション制作会社 Production I.Gとオール北米ロケを敢行し、ことばも通じぬ異国の地で、日本人は押井氏含めスタッフ7人。かねてより「実写とアニメーションは融合して区別がつかなくなる」と提唱してきた押井氏は今作にて、アニメーションと実写の境界を越えた新しい映像を作り上げたとのこと。また、日本語版プロデューサーはスタジオジブリの鈴木敏夫氏が務めている。さらに、3月26日より全国の上映劇場にて前売り券の発売を決定し、3,000名の購入者先着特典として『ガルム・ウォーズ』の原点となる『G.R.M』通称『ガルム戦記』のDVDがプレゼントされる。1996年に製作されて以来、2001年の東京国際ファンタスティック映画祭でのみ上映された幻のアニメーション映像となる。映画『GARMWARS ガルム・ウォーズ』は5月20日全国ロードショー。(C)I.G Films(C)1996BANDAI
2016年03月24日『攻殻機動隊』シリーズ、『イノセンス』などを手掛ける押井守監督が、構想15年をかけて異国の地・カナダで全身全霊を捧げて撮影した『ガルム・ウォーズ』。この度、3月26日(土)より発売される前売り券の購入者特典として、本作の原点である超貴重映像が収録されているDVDを数量限定でプレゼントすることが明らかになり、今回そのDVDから冒頭1分間の映像が公開された。遙かなる古代、戦いの星・アンヌン。ここには創造主・ダナンがつくったクローン戦士・ガルムと彼らから神聖視される犬・グラと、鳥が生息している。ガルムはたとえ命を落としても、その個体の記憶をクローンの脳に転写することで、幾世代も生き延びてきた。ダナンが星を去った後、覇権をめぐり3部族の抗争が続いていた。ある日、空の部族・コルンバの女性飛行士「カラ」は、陸の部族・ブリガの兵士「スケリグ」との戦闘の最中、情報操作に長けた部族・クムタクの老人「ウィド」と出会う。我々は何処から来て何処へ行くのか。ウィドが投げかける不可思議な問いによって、敵同士である彼らの間に奇妙な連帯が生じ、3人は「ガルムの真実」を探る旅に出る。しかし、それは神の怒りに触れる行為だった――。本作は、かねてより「実写とアニメーションは融合して区別がつかなくなる」と提唱してきた押井さんが、『イノセンス』『スカイ・クロラ The Sky Crawlers』など数々の作品を共にしてきたアニメーション製作会社Production I.Gとオール北米ロケを敢行。言葉も通じぬ異国の地で、日本人は監督含めスタッフ7人。外国人俳優を起用して撮影に挑み、アニメーションと実写の境界線を越えた新しい映像を作り上げている。また、名だたる名匠と数々の名作を生み出し、ヒットに導いてきた鈴木敏夫が、盟友・押井さんを支えるため、本作の日本語版プロデューサーに就任。『イノセンス』以来、12年ぶりの強力タッグとなっている。そして今回、本作の前売券の概要が決定。購入者特典としてプレゼントされる超貴重DVDは、本作の原点である“最初の映像”[G.R.M.]パイロット版だ。本映像は、1990年代後半に押井監督作品として企画され、1999年に製作が凍結された幻のプロジェクト『G.R.M.』(=通称「ガルム戦記」)の3年に及ぶ開発期間中に制作された数多くのパイロット・フィルムのうちの1本。2001年の「東京国際ファンタスティック映画祭」でのみ上映された“蔵出し映像”であり、制作陣には特技監督として「ガルム戦記」に参加した樋口真嗣も名を連ねているという。そんな樋口監督は、「日本のエンターテインメントは押井守を先頭に革命が起きるんだよって、本当にそう思ってましたから。これをやらないと俺たちは変わらないんだよ」と熱を込めて当時をふり返っている。『ガルム・ウォーズ』は5月20日(金)より全国に公開。(cinemacafe.net)
2016年03月24日『攻殻機動隊』シリーズなどで世界中にその名を知られる鬼才・押井守監督が、構想15年、製作費20億円をかけて世に送り出す最新作『ガルム・ウォーズ』。去る3月10日、押井監督と、本作の日本語版プロデューサーを務めた鈴木敏夫、そして宣伝コピーを手掛けた虚淵玄の3者スペシャルトークが実現。「LINE LIVE」にて生配信され約103万人が視聴した。遙かなる古代、戦いの星・アンヌン。ここには創造主・ダナンがつくったクローン戦士・ガルムと彼らから神聖視される犬・グラと、鳥が生息している。ガルムはたとえ命を落としても、その個体の記憶をクローンの脳に転写することで、幾世代も生き延びてきた。ダナンが星を去った後、覇権をめぐり3部族の抗争が続いていた。ある日、空の部族・コルンバの女性飛行士カラは、陸の部族・ブリガの兵士スケリグとの戦闘の最中、情報操作に長けた部族・クムタクの老人ウィドと出会う。「我々は何処から来て何処へ行くのか?」。ウィドが投げかける不可思議な問いによって、敵同士である彼らの間に奇妙な連帯が生じ、3人は「ガルムの真実」を探る旅に出る。しかし、それは神の怒りに触れる行為だった――。異国の地・カナダでオールロケが敢行され、言葉も通じぬ地で、日本人は監督含めスタッフ7人、そして外国人俳優を起用して撮影された本作。日本語版には鈴木さんがプロデューサーとして名を連ね、押井監督は、なんとこの日初めて日本語版を鑑賞。試写直後に三者対談がスタートした。そこでは、鈴木さんが“日本語版プロデューサー”として名を連ねることになった経緯や、30年以上の交友関係にある押井さんが、鈴木さんを会話中に「敏ちゃん」と呼び掛けるなど、いままで知られることのなかった事実が明らかとなった。鈴木さんから「(日本語版は)どうだった?」と聞かれた押井監督は、やや間を置いて「…期待してなかったけどすごく良かった」と告白。それを聞いた鈴木さんは恵比須顔に。「神話に近い寓話的なファンタジーですね。結局、人間のお話ではない。いってしまえば、作られた人形の悲哀みたいなロボットたちの話だから、そこはやっぱり役者さんたちが意識したんではないかと。感情が湧き上がってくるのに、どう表現したらいいか分からないで困惑している人たちの話ですよね」という虚淵さんの感想に、それまでいつもの小声で話していた押井監督が「分かってる!!ちゃんと分かってるね!」と声を大にした場面も。また、虚淵さんが手掛けた「この国が棄てた幻想を、再び。」という宣伝コピーについては「いいね。こういう気持ちでつくったから」と再び声を大にした。構想15年を経て公開される本作だが、誕生のきっかけは鈴木さんや宮崎駿監督とアイルランドを旅したときに見た荒涼とした風景が発端となっていることも明かされた。押井監督は「15年の間に、この国からファンタジーという物語が消えた。いま、誰も物語を作ろうとしないんですよね。だから、真正面から物語をやってみようと思ったの。これ以上でかい物語はないんだって思うくらいの」と嘆く。それに対し、「物語よりキャラクターに一気に比重がいきましたよね」と虚淵さんも同調。「最近のアニメーション見てるとさ、ストーリーはあるけど、物語が全然ないの。あったとしても力強いものじゃなくなってる。物語って始まって終わっちゃうじゃないですか。皆、嫌なんですよね。ずっとそこに浸ってたい」と本作の制作意図が見え隠れする独自理論を語った。話題はそれぞれの“次回作”にまで及び、「虚淵さんが書いて押井さんが作るってないの?押井さんがひとりでやってもおもしろくない。映画は相方が必要」と語る鈴木さん。すると押井監督は「実は企画があったんだけど立ち消えになっちゃった。あれはあれでやりたい」と、幻の企画の存在があったことを暴露。鈴木さんは「虚淵さんとだったら新しい押井作品ができるよ」とねばり、押井監督も「押し付けられたほうがやる気になるんだよね。お金集めて持ってきてよ」とまんざらでもない様子を見せた。さらに自身の次回作に関して鈴木さんは「まだ言えないけど本格的にやってみたCMがある、自信作」と期待を煽るコメントを述べた。日本のエンタメ界の第一線で活躍する3人のトークに、視聴者数は約103万人、コメント数は約1,700コメントと大盛況ぶりを記録。今後、3人から生み出される新しいエンターテインメント作品に期待せずにはいられないトークショーとなった。『ガルム・ウォーズ』日本版は5月20日(金)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2016年03月14日『攻殻機動隊』シリーズや『イノセンス』などで世界中のクリエイターたちに刺激を与える鬼才・押井守監督が、構想15年をかけて異国の地・カナダでオールロケを敢行した最新作『ガルム・ウォーズ』。この度、押井監督と、本作の日本語版プロデューサーを務めた鈴木敏夫、そして脚本家・虚淵玄の三者によるスペシャルトークが「LINE LIVE」にて生配信されることが決定した。遙かなる古代、戦いの星・アンヌン。ここには創造主・ダナンがつくったクローン戦士・ガルムと彼らから神聖視される犬・グラと、鳥が生息している。ガルムはたとえ命を落としても、その個体の記憶をクローンの脳に転写することで、幾世代も生き延びてきた。ダナンが星を去った後、覇権をめぐり3部族の抗争が続いていた。ある日、空の部族・コルンバの女性飛行士カラは、陸の部族・ブリガの兵士スケリグとの戦闘の最中、情報操作に長けた部族・クムタクの老人ウィドと出会う。「我々は何処から来て何処へ行くのか?」。ウィドが投げかける不可思議な問いによって、敵同士である彼らの間に奇妙な連帯が生じ、3人は「ガルムの真実」を探る旅に出る。しかし、それは神の怒りに触れる行為だった――。世界へ通用するジャパンアニメーションの土台を築き上げてきた人物・押井監督が、監督デビューから30余年…「国家とは、人類とは、そして戦うこととは――?」と問いかける現代叙事詩を、構想15年、製作費20億円をかけて世に送り出す本作。制作には、これまで『イノセンス』『スカイ・クロラ The Sky Crawlers』などでタッグを組んだアニメーション製作会社「Production I.G」が参加。そして、本作の日本語版には、プロデューサーとしてスタジオジブリの鈴木さんが名を連ね、さらに「魔法少女まどか☆マギカ」「PSYCHO-PASS サイコパス」などを手掛けたシナリオライター・虚淵さん(ニトロプラス)が協力。吹き替え声優には朴ロ美が起用され、日本随一のクリエイターが揃う。今回、本作の日本語版公開に先駆けて、押井監督と鈴木プロデューサー、そしてシナリオライター虚淵さんによるスペシャル対談が実現。その模様が特番として「LINE LIVE」にて生配信されることが決定した。番組内では、押井監督が初めて日本語版『ガルム・ウォーズ』を鑑賞!以前、「この日本語版を押井守が見てどう思うのか。押井さんが悔しがるのが楽しみです笑」と話していた鈴木プロデューサーだが、鑑賞後監督の第一声は?そして反応は!?さらに、本作の見どころや制作秘話を監督自身が解説するという。30年以上に及ぶ友情関係だからこその歯に衣きせぬ発言の応酬を漏らさず聞けるのは生配信ならでは。それぞれが日本エンターテイメント界の第一線で活躍する人物なだけに、次回作の話題が飛び出ないか?など、ファンだけでなく業界も注目の超貴重なトークショーになること間違いなしだ。「押井守×鈴木敏夫×虚淵玄『ガルム・ウォーズ』公開特番」は3月10日(木)21時45分より「LINE LIVE」にて生配信。『ガルム・ウォーズ』日本版は5月20日(金)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2016年03月08日『攻殻機動隊』シリーズをはじめ、独特の世界観と映像美で世界を魅了し続ける鬼才・押井守監督が、構想15年、製作費20億円をかけて世に送り出す最新作『ガルム・ウォーズ』。この度、オール北米ロケで撮影された本作の日本版公開が、5月20日(金)に決定した。遙かなる古代、戦いの星・アンヌン。ここには創造主・ダナンがつくったクローン戦士・ガルムと彼らから神聖視される犬・グラと、鳥が生息している。ガルムはたとえ命を落としても、その個体の記憶をクローンの脳に転写することで、幾世代も生き延びてきた。ダナンが星を去った後、覇権をめぐり3部族の抗争が続いていた。ある日、空の部族・コルンバの女性飛行士カラは、陸の部族・ブリガの兵士スケリグとの戦闘の最中、情報操作に長けた部族・クムタクの老人ウィドと出会う。「我々は何処から来て何処へ行くのか?」。ウィドが投げかける不可思議な問いによって、敵同士である彼らの間に奇妙な連帯が生じ、3人は「ガルムの真実」を探る旅に出る。しかし、それは神の怒りに触れる行為だった――。『アバター』のジェームズ・キャメロンや『マトリックス』のウォシャウスキー姉弟など、世界中のクリエイターに刺激を与えてきた『攻殻機動隊』シリーズをはじめ、アニメ作品で初めてカンヌ国際映画祭のコンペティション部門に出品された『イノセンス』を手掛けるなど、世界へ通用するジャパンアニメーションの土台を築き上げてきた人物・押井監督。彼が、監督デビューしてから30年あまり、構想15年をかけて臨んだ本作は、異国の地・カナダにてオールロケを敢行。言葉も通じぬ地で、日本人は監督含めスタッフ7人、そして外国人俳優を起用しての撮影という環境下のなか、アニメーションと実写の境界線を越えた新しい映像に挑んだという。制作には、これまで『イノセンス』『スカイ・クロラ The Sky Crawlers』など数々の作品を共にしてきた世界的アニメーション製作会社「Production I.G」。さらに、日本語版プロデューサーとしてスタジオジブリ・鈴木敏夫が参加し、『イノセンス』以来12年ぶりに最強タッグを実現させる。鈴木さんは、「押井守との出会いは、30年以上前に遡ります。当時から彼は、日本の映画を変えたいという夢に燃えていました。たがいに別な道を歩んできたけれど、こうしてたまに、交錯することがあります」と、押井監督との仲をふり返る。「押井守が日本で果たすことが叶わず、海外で撮った、15年越しの『夢』。その日本語版をどうやって作るのか?英語版を2度3度と見ながら、台詞の内容を一切変えずに、作品の印象を一変させてみたいと考えました。それがこの仕事を引き受けた大きな理由です」と明かし、「そのために必要なのは、日本的情緒を表現できる声優さんと、それを演出出来るディレクターさんでした。幸いなことに、朴ロ美さんという名優と、演出の打越領一さんとの出会いがあり、その目論見が実現出来ました」と、本作について新情報を公開。さらに、「押井さんの大ファンである名脚本家・虚淵玄さんの協力も得て、いま作品と向き合っています。この日本語版を押井守が見てどう思うのか。押井さんが悔しがるのが楽しみです(笑)」と、大きな期待を感じさるコメントを寄せた。公開日決定とともに主人公・カラが顔を上げ、空を見上げるメインビジュアルが初解禁。さらに、鈴木プロデューサーが自ら手掛けたタイトルロゴも初披露された。新しい映像革新に全世界が期待する本作を、まずはこのビジュアルから感じてみて。『ガルム・ウォーズ』日本版は5月20日(金)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2016年01月28日公開初日を迎えた映画『東京無国籍少女』の舞台あいさつが25日、東京・新宿バルト9で行われ、主演の清野菜名をはじめ、田中日奈子、吉永アユリ、花影香音、押井守監督が出席した。アニメ界の巨匠、押井守監督がメガフォンをとった本作は、園子温監督の映画『TOKYO TRIBE』でヒロインを好演した清野菜名を主演に抜てき。とある女子美術高等専門学校を舞台に、心身ともに傷を負った少女・藍(清野)の日常が音を立てて崩れ始める姿を描く。押井監督がこれまで避けてきた悲惨な暴力や性的描写を解禁するなど、野心に充ちた作品となっている。本作で映画初主演を果たした清野は「初主演ということで、自分自身プレッシャーと不安もありましたが、監督やスタッフ、キャストの皆さんに支えられて最後まで藍を演じることができました」と周囲に感謝の言葉。押井監督については「第一印象は声が小さい(笑)。現場に入ったらマスクをされていて、頑張って口元を見ながら言葉と照らし合わせましたが、分からなくて『もう1回お願いします!』と繰り返してました(笑)」と苦笑いを浮かべるも「分からないことがあったら監督に何でも聞き、理解するまで何度も何度も説明してくれました。分かりやすかったし納得して演じられました。アクションシーンは自分で見てもビックリするぐらいカッコ良いと思いましたね」と満足げだった。そんな清野を主役に抜てきした押井監督は「この作品は清野くんじゃなかったら出来ませんでした。役者さんはセリフを欲しがりますが、清野くんは構えた時が様になる。若い人は難しかったりしますが、清野くんにそういう不安は全く感じませんでしたね」と絶賛。続けて「初めて主演をやってもらった人は何となく一生つきまとう。また一緒にやりましょう」とラブコールを送ると、清野も「私も撮影している最中に監督の魅力に引き込まれました。また別の作品でご一緒できたらと思ったので、これからもよろしくお願いします」と返して押井監督を喜ばせていた。
2015年07月26日押井守監督最新作『東京無国籍少女』が7月25日(土)に公開を迎え、押井監督に主演の清野菜名、田中日奈子、吉永アユリ、花影香音が舞台挨拶に登壇した。美術系の女子高を舞台にした本作。あふれんばかりの周囲の才能で期待や嫉妬を一身に背負い、もがき苦悩する主人公の藍だったが、やがて彼女の感情が爆発し、物語は衝撃的な展開を見せる。本作で映画初主演の飾った清野さんは「自分の中でプレッシャーや不安はありましたが、監督、スタッフ、キャストのみなさんに本当に支えていただいて演じきることができました」と晴れ晴れとした表情を見せる。清野さんが「台本が薄くてプロット状態で、不安でしょうがなかったし、監督に『現場で足していく』と言われてもっと不安になって…クランクインの日は不安しかなかったです」と明かすと、同級生役を演じた田中さん、吉永さん、花影さん「不安でした!」と「(監督が)何を考えているかわからずやっぱり不安だった!」などなど口々に不安を訴えた。押井監督は「不安は悪くないですね。不安な世界を描いているので」と余裕の表情だったが、清野さんは監督の印象について「声が小さい!現場ではマスクをしていて、それまでは口元を見て何とか理解してたのにわかんなくなって『もう1回いいですか?』と…」と苦笑い。だが、このやり取りに関しても押井監督は「そうやって近づいて、距離が縮まるのはいいこと」と監督ならではのコミュニケーション術(?)を明かした。一方で押井監督は「現場では結構、冗談を言ったんだけど…。オヤジの言うことだから通じなかった」と寂しそうに語ったが、清野さんらは、監督が冗談を言っていたという事実にさえ気づいていなかったよう…?現役女子高生の吉永さんをはじめ、エキストラも含め女子高生ばかりの現場に、さすがの押井監督も「スタッフの声よりも女子高生がうるさかった。何に喜んで、何にキャーキャー言ってるのか最後までわかんなかった」とリアル女子高生たちに圧倒されたようだった。清野さんはラスト10分ほどで凄まじいアクションを披露しているが、わずか3日、実質的には2日間の練習で作り上げたそう。「いままでで一番ハード!」とふり返るが、完成した映画を見て「自分で言うのもあれですけど『かっこいいな!』って思いました。と充実の表情。押井監督も「清野でなければできなかった」と称賛し「また一緒にやりましょう!」と次作以降での再タッグを約束した。『東京無国籍少女』は公開中。(text:cinemacafe.net)■関連作品:東京無国籍少女 2015年7月25日より新宿バルト9ほか全国にて公開(C) 2015東映ビデオ
2015年07月25日押井守監督最新作『東京無国籍少女』のトークイベントが7月16日(木)に都内で開催され、押井監督、主演の清野菜名、共演の金子ノブアキが出席した。美術の高等専門学校に通う藍は才能にあふれ、将来を期待されるも、心の傷を抱え、周囲の期待や嫉妬に苦悩していた。やがて物語は思わぬ展開を見せ、藍の感情の爆発と共に衝撃のクライマックスを迎える…。台風の接近が報じられる中、監督ら一行を乗せた車が渋滞に巻き込まれるというトラブルもあり、イベントは予定よりも十数分遅れてのスタートとなったが会場には多くのファンが詰めかけた。現在、二十歳の清野さんはオーディションで藍役を勝ち取ったが、これまで押井監督のことや作品についてはほとんど「知りませんでした」と明かす。一方、金子さんは「どっぷりと通ってきました」と語る押井作品の大ファン。実は、ポーランド系の血を引いているという金子さんだが、押井監督がポーランドロケを敢行した『アヴァロン』をお気に入り作品に挙げ「この映画で初めてポーランドの景色を見ました」と明かし、今回のオファーについても「感慨深かったし嬉しかったです」と語る。押井監督は「実は『パトレイバー』でも金子くんにオファーを出しかけてたんです」と告白。金子さんは「その話を聞いて、事務所への不信感が…(苦笑)」と心から残念そうに語り、会場は笑いに包まれた。また清野さんの起用について押井監督は「(藍役を)選ぶ基準がなかったんです。若い子を撮ったことがなかったので。これまでどちらかというと少しオバサンばかりで(笑)、若い子の顔は区別がつかないので」と述懐。ではなぜ清野さんを選んだのか?「みんな同じ顔の中で一人だけ今風じゃない顔がいたので」と説明する。「“カワイイ”とか“美人”ということ以外に、人を殺しても不思議じゃない顔だと可能性を感じました」と独特の選考理由を明かし、会場をわかせた。前半は鬱屈した女子高生の姿が描かれるが、終盤にかけて物語は一気に加速し急展開を見せる。押井監督は「量は少ないけど、ダブルミーニングになっているセリフばかり。全てに意味があります」と映画の構造の一端を明かし、自信をうかがわせる。特に終盤のアクションシーンは圧巻!清野さんは血まみれの姿で凄まじいアクションを披露しているが、血糊のメイクに「興奮してスイッチが入りました」とニヤリ。その姿に押井監督以下「殺気を覚えた」という。決して、スケジュールに余裕があったわけではなく、清野さんは「3~4分のアクションを『今日覚えて、やってもらいます』と言われ、『ふざけんな!』って思いました(苦笑)」と苦労を明かすが、完成したシーンについては「いままでの日本映画になかった衝撃のシーンになっています!」と胸を張る。金子さんは、自身が多くは出演していない清野さんのアクションを手放しで大絶賛!「超強いんです(笑)。もちろん、これまでも活躍はされてますが、これを見たら『こいつ誰だ?』となると思うし、海外からも話が来ると思う」と太鼓判を押す。これには清野さんも「来てほしいです!」と満面の笑みで語った。押井監督もこの衝撃のクライマックスについて「演技の延長としてアクションをしてもらった。かっこいいアクションシーンではなく、人殺しのアクションをしてもらわなくてはならなかった」とテクニックのみらず、演技力も必要なこのシーンの難易度の高さを強調し、改めて清野さんを称えた。『東京無国籍少女』は7月25日(土)より公開。(text:cinemacafe.net)
2015年07月16日押井守監督の実写最新作にして、『TOKYO TRIBE』の清野菜名が初主演するソリッドシチュエーション・スリラー『東京無国籍少女』。この期待の取り合わせに、海外の映画祭から続々と招待オファーが届いていることが判明。それを記念して、劇中では一切“笑わない”清野さんの笑顔がまぶしいメイキングショットがシネマカフェに到着した。舞台は女子美術高等専門学校。かつて天才と持てはやされた生徒の藍(清野菜名)は、事故で怪我を負った影響で心に傷を抱えてしまい、いまでは眠ることもできず、授業もドロップアウト、ただ一人で謎のオブジェを作り続けていた…。そんな藍を、再び学校の広告塔として利用するため全てを黙認し、決して学園の外に出そうとしない教頭(本田博太郎)。特別扱いされる藍を苦々しく思う担任教師(金子ノブアキ)と、嫉妬を募らせる同級生たち。降りかかる執拗なイジメと嫌がらせの中、唯一、彼女の身を案じる保健医(りりィ)にも、藍は心を開かない。やがて、心休まらない憂鬱な日々は、藍の中で目覚めた「なにか」によって崩れ始める…。世界が注目する押井監督の新たなる挑戦とも言える本作。最低限のCGIで役者の身体表現を最大限に活かしたラスト15分のクライマックスは、過去の実写作品とも一線を画す壮絶さと迫力で、観る者を圧倒する。まず、ワールドプレミアとして7月7日(現地時間)に上映されるのは、スイス・ヌシャテル湖畔で行われる「ヌシャテル国際ファンタスティック映画祭」。ヨーロッパのファンタ系映画ファンから注目を集めており、「New Cinema from Asia」にて上映される。続く、「ニューヨーク・アジア映画祭」では7月10日に北米プレミア上映。幅広いジャンルのアジア映画に特化した映画祭で、今年は若手俳優に贈られる「ライジングスター賞」に染谷将太が、過去には山田孝之や長澤まさみが選ばれている。また、高倉健、菅原文太へのトリビュート上映が組まれるなど、日本映画も毎年数多く上映されている。さらに、カナダ・モントリオールで行われる「ファンタジア国際映画祭」では、7月21日に上映予定。北米最大級で、昨年は約13万人の映画ファンが参加。親日的な映画祭で、2014年には『太秦ライムライト』が「最優秀監督賞」、『ジョバンニの島』が「最優秀長編アニメーション作品賞」、『るろうに剣心 京都大火編』が「観客賞銅賞」を受賞。また、押井監督には「生涯功労賞」が贈られている。また、アジアを代表するジャンル系映画祭の1つ、韓国の「プチョン国際ファンタスティック映画祭」がアジアプレミアとなる。なお、ワールドプレミアとなる「ヌシャテル国際ファンタスティック映画祭」では、押井監督のこれまでの功績を紹介するショートムービーが制作され、上映される予定だという。<清野菜名コメント>初主演映画が、海外映画祭から招待されているのは大変光栄です。カンヌ映画祭のマーケットで、アクションシーンの映像を観た海外の映画祭や配給会社からのオファーや問い合わせが届いていると聞きました。ラスト15分のクライマックスシーンの撮影の時は、集中力が高まっていくなかで、周囲がゆっくりと動いているような感覚を、初めて感じました。吹き替えな無しのアクションに期待して欲しいです。海外の反応も楽しみですが、日本の皆さんにもぜひご期待いただきたいです!!『東京無国籍少女』は7月25日(土)より新宿バルト9ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2015年07月07日『機動警察パトレイバー』『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』などで知られる押井守監督実写最新作『東京無国籍少女』が、7月25日(土)より公開される。このほど、本作の予告編ほか場面写真、ポスタービジュアルが解禁となった。舞台は女子美術高等専門学校。日々、創作活動に取り組む生徒たち。その中に、かつて天才と持て囃された藍(清野菜名)が居た。彼女は事故で怪我を負った影響で心に傷を抱えてしまい、いまでは眠ることも出来ず、授業もドロップアウトし、ただ一人、謎のオブジェを作り続けていた。そんな藍を再び広告塔として利用するため全てを黙認し、決して学園の外に出そうとしない教頭(本田博太郎)。特別扱いされる藍を苦々しく思う担任教師(金子ノブアキ)と、嫉妬を募らせる同級生たち。降りかかる執拗なイジメと嫌がらせの中、唯一、彼女の身を案じる保険医(りりィ)にも心を開かない藍。やがて、心休まらない憂鬱な日々は、藍の中で目覚めた「なにか」によって崩れ始める…。群発する地震。響く大量の鳥の羽音。学園内に流れ続けるクラシック音楽。そして繰り返される謎の声…お前はなぜ、ここにいる?女子校を舞台にしたサスペンススリラーである本作の主演を務めるのは、『TOKYO TRIBE』で園子温監督を始め、世界的な監督から立て続けに抜擢され大注目を集めた清野菜名。清野さんにとって、本作『東京無国籍少女』は初の単独主演作となる。撮影現場では、押井監督からは度々「目が凄い。凄い殺気だ」と、その眼力に感嘆の言葉が漏れたという。そして共演には、金子ノブアキ、りりィ、本田博太郎が名を連ね、狂気のパフォーマンスで作品を引き締める。「そろそろ自分自身で設けてきた枠を外そうと考えていた」と押井が語る通り、これまで避けてきた凄惨な暴力や性的な描写を本作で解禁。特に、最低限のCGIで役者の身体表現を最大限に活かした圧巻のクライマックスは、過去の実写作品とは一線を画す。「アニメの専売特許を実写でも可能だと信じて制作した」と語る、押井守の新たな「挑戦」は必見だ。今回公開となった予告編、場面写真からも、他者に対して心を遮断し、周囲に対して鋭い眼を向ける清野さん演じる藍の独特な存在感が見て取れる。混乱の中で、自己を喪失した状態で校内をフラフラと歩く姿や、一心不乱にオブジェの制作に集中して取り組む姿、台詞は最低限に絞られ、表情のみで感情を表現する姿に、「この藍という役は清野菜名にしかできないと確信した」と押井監督が語るのも納得だ。今回の撮影に対して清野さんは「台本を見てみたら、プロットみたいで。詞というより情景?ト書きが殆どで、えっ!?ってビックリしました(笑)。撮影のときは大きな声で怒鳴ったりする人なのかなぁと正直思ったりしていたのですが、監督はすごく気さくで丁寧で優しい方でした。今回は表情で表現することが殆どで、意思は強いんだけど、どこか切ない。反比例する感情が多かったので 台詞がないのもすごく難しいなと思いました」とコメントしている。そして何より『シックス・センス』『ソウ』『ブラック・スワン』に並ぶほどの衝撃というラスト15分に注目が集まる本作。謎が明らかになった時に映し出されるという凄まじい清野菜名の姿に、期待が高まる。『東京無国籍少女』が7月25日(土)より新宿バルト9ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2015年05月25日6月20日に公開されるアニメーション映画『攻殻機動隊 新劇場版』に向けて、「攻殻機動隊」シリーズの歴代監督を務めた押井守監督、神山健治監督が応援コメントを寄せた。本作では、総理大臣暗殺事件をきっかけに、シリーズでも謎を秘めたキャラクターであった全身義体のサイボーグ・草薙素子の生い立ちが明らかになるとともに、攻殻機動隊の誕生秘話を描く。総監督・キャラクターデザインに黄瀬和哉氏、脚本に『マルドゥック・スクランブル』『天地明察』を手がけた小説家の冲方丁氏、音楽はコーネリアスと『攻殻機動隊ARISE』を手がけた面々が再集結した。『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』(1995年)でメガホンをとった押井監督は、映画を「葛藤に陥る前のパッショネートな素子を描いた唯一の攻殻」であると評価。押井氏いわく「これまでで最も魅力的な素子」を描き切った黄瀬氏に向けて、「さすが黄瀬だ!」と総監督ぶりをたたえている。そして、TVアニメ『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX』を担当した神山監督は、「攻殻機動隊のメンバーがいかにして現在の活動を行うに至ったのか」が解き明かされている点に注目。「公安9課結成までの活躍や葛藤が描かれる本作は大変興味深く、細視に値する映画です」と、シリーズの核となる部分がつまびらかにされる本作に期待を寄せた。なお、公式サイトでは、「踊る大捜査線」シリーズの本広克行監督、BUMP OF CHICKENの直井由文、『シドニアの騎士』を描いた漫画家・弐瓶勉、『進撃の巨人』の実写映画を手がける樋口真嗣監督、アーティストのタカノ綾など著名人からの応援コメントを随時公開していく予定だという。(C)士郎正宗・Production I.G/講談社・「攻殻機動隊 新劇場版」製作委員会
2015年05月22日●忘れられない押井監督の笑顔人気アニメが実写化される際、ファン最大の関心事は、やはりキャスティングに尽きる。『機動警察パトレイバー』の実写化プロジェクト『THE NEXT GENERATION(以下TNG) パトレイバー』で、原作の主役・泉 野明(いずみのあ)を連想させるキャラクター・泉野 明(いずみのあきら)役に抜てきされたのが、女優の真野恵里菜だ。プレッシャーのかかる役どころながら、野明とは違う、しかしながら野明に通じるなにかをもった"人間"として、見事に明を劇中に存在させることに成功したように思われる。アイドルグループ・モーニング娘。らが所属するハロー!プロジェクトから、アイドルとしてデビューした真野。2013年2月の卒業後は、役者業を中心にキャリアを積み重ねてきた。今年は『TNG パトレイバー』に続き、園子温監督の『新宿スワン』(5月30日)、『ラブ&ピース』(6月27日)、『リアル鬼ごっこ』(7月11日)の公開を控えており、人気若手女優の仲間入りを果たしている。押井守監督、園監督をはじめ、なぜ実力派監督たちに彼女が支持されるのか、その秘密に迫った。――いきなりですけど、足に重りをつけてコンサートのリハーサルをしているという話を耳にしたんですが…。本当です(笑)。極端なんですよ。練習で重りを足に1キロずつ着けたら、本番の2時間は、体がもっと軽くなるかなって。思い込んだらやってしまうんです。――『ドラゴンボール』の悟空みたいですね(笑)。『TNG パトレイバー』でもそんなストイックな準備を?今回はそういうことはやってないですね。ただ、撮影が長くて体調を壊せないこともあり、特に食事には気をつけました。いっぱい食べるようにしていたので、その分ちょっと丸くなった時期もあったりして……。今とその時とでは体重もだいぶ違ってます(笑)。特車二課の隊員たちは、いつも上海亭のチャーハンとかカップラーメンのような高カロリーなものを食べてるから、明もきっとこんな体型なんじゃないかと、あとになって自分でこじつけてました(笑)。――確かに、シリーズでも食事のシーンが多い印象です。撮影中はみんなけっこう食べてましたね。特に人気があったのは、やっぱり上海亭のチャーハン! あとは、長編劇場版の冒頭に熱海で食べている会席料理もおいしかったですね。――撮影開始から一年半ほどを経て、やっと長編劇場版公開ですが、あらためて『TNG パトレイバー』はどんな現場でしたか?映像作品で、半年間も同じチームでできるということはあまりないんです。舞台でも長くて三カ月で、私自身いままでで一番長い現場でした。だからこそ得られるチームワーク感っていうのがすごくあって。隊員たちキャストだけではなく、技術スタッフさんともコミュニケーションをとることができました。画面に映るのは私達だけど、画面の反対側にはこんなにたくさんのスタッフの方がいて、これだけ大きな作品ができるんだなと感じましたね。プレッシャーはあったけど、このスタッフさんたちがいれば大丈夫!と安心して撮影にのぞむことができました。――役作りの面ではスタッフさんたちの用意した小道具が役に立ったそうですね。明はロボットが好きなので、小さいロボットのフィギュアがデスクにたくさんおいてあるんです。平和を守りたいのはもちろんだけど、純粋にレイバーに乗りたいって願望も強い。ほかにも、引き出しの中には愛犬の写真が入ってたりして。それを見て、「ああ、この子は、ものとか小さい生き物に対して思いやりが強いんだな」とイメージが膨らみました。だから、大田原さんがお酒ばっかり飲んでダメな部分があっても、怒るんだけど、そこには愛情があります。――周りの反応はいかがでしたか?等身大だねって言われましたね。いままで変わった役が多かったので(笑)。超能力が使えたりとか。――そうなると、逆に役作りが大変そうです。実は、役作りはあまりしませんでした。まわりのキャラクターが濃いのもありましたが、明と佑馬に関してはストーリーをまわしていく必要もあったので。最初のころはそこに迷って、佑馬役の福士(誠治)さんに聞いたりもしました。福士さんから「役を固めてしまわずに、その場に応じて変わっていけばいいんじゃない?」とアドバイスをいただいたこともあって、その場で生きればいいんだなって。特に元気な子にしようとかは考えませんでした。――押井監督は、今回総監督という立ち位置です。押井さんは、わたしたち隊員キャストの輪から離れたところで見てくださっていました。気になったところがある時は、側にきて、その人だけに指摘してくださる。本当にお父さんみたいな存在でしたね。――特に印象的だったアドバイスは?謎の女性・灰原(森カンナ)に出会ってから、意識が変わっていく明を象徴するバスケットボールのシーン。プレイをずっと長回しで撮って、最後はシュートを決めて終わるんですが、撮影前に監督から「明じゃなく真野自身のことに置き換えてもいい。何か手に入れたいものがあって、いまゴールを決めないと全部なくしてしまう。そんな気持ちでやれ」と言われていたんです。その言葉を受けてなのか、本番はワンテイクで決まりました。しかもリングに当たらずスパッと。あれは終わった後自分でも震えましたね。――押井監督も驚かれていたのではないでしょうか。押井さんも、カットをかけたあと、手で大きな○を作ってくださいました。その時の笑顔が忘れられないですね。押井さんがずっと作り上げてきた『パトレイバー』なので、とにかく押井さんから「実写やってよかったな」という言葉を聞きたいねって隊員みんなで話してたんです。それができたら、私達も「役者やっててよかったな」と思えますから。●太田莉菜さんとは考え方もルックスも正反対――劇中では、特車二課のメンバーが抜群のコンビネーションを発揮します。休憩中も騒いだりするわけじゃなくって、すごく大人な人たちだなと思いました。ただ、よくみんなで「このキャストって、決して名前がすごく出てるとか、有名なわけじゃないけど、どこかしらアニメ版とかぶるところがある」ということは話していたんです。縁があってこの作品に出会ったからこそ、「このメンバーでもちゃんとできるんだぞというところを見せたい」と、すごく意識が高かったですね。――個性的なキャストぞろいですが、例えば特車二課のキャストのみなさんがクラスメートだとして、誰と一番仲良くなってみたいですか?太田莉菜さんかな。まったく活動してきたフィールドが違うから、考え方も違うんです。ルックスも正反対というか、あのクールな雰囲気にすごく憧れるんですよね。でも、太田さんは、「アイドルとしてやってきた真野ちゃんの愛嬌は強みだよ」と言ってくれて嬉しかったです。――確かに劇中でも印象は真逆ですね。最初は、カーシャというクールな役柄もあり、あまりコミュニケーションをとることができなかったんですけど、オールアップの時には手紙をくださって、それがすごくうれしかったな。特車二課の仲間として、また女優としてはライバルでもあるけど、また一緒にお仕事もしたいねというメッセージをいただきました。まったく違う世界で活躍してきた先輩でもあるし、お母さんでもあるから、私が普段一緒にいる人たちとはまた違うので、お話ししているとすごく胸がときめくんです。――もっとさかのぼって、はじめに『TNG パトレイバー』への出演が決まった時はどう思われましたか?私、『パトレイバー』をまったく知らなかったんです。でも、最近実写化される作品が多い中で、自分の好きな作品が実写化されるのを複雑に思う気持ちはすごくわかるんですね。きっとイヤな思いをするファンの方もいるんだろうなって。でも、選ばれた以上はなにか縁があるはずだし、とにかく全力でやろうと思いました。――不安も大きかったのではないかと思います。普通はシリーズがあって、それが好評で映画を撮影する流れです。でも今回は、最初からまとめて映画まで撮るということが決まっていたので、そこは不安しかなかったですね。――撮影スタートから、映画公開までの期間が長いですものね。撮影が終わって一年半後に劇場公開なので、「一年半後って、私なにやってるだろう」と考えてました。ただ、撮影が終わってからも役者業を充実させていきたいということは思っていました。だから、「この子あの作品にも出てる、あっ、この子ってパトレイバーに出てた子なんだ」と思ってもらえるように、『パトレイバー』とリンクさせられる作品にたくさん出演したいなとモチベーションが上がりましたね。――『パトレイバー』自体も、根強いファンが多い作品ですよね人気作だからこそ、「誰この子?」と思う方も多いと思うんです。だからこそ、闘争心というか野心というか、燃えてました!――その時から考えて、今の自分の現状はどのように映っていますか?ハロー!プロジェクトを卒業したころに想像していた自分から比べると、充実はしています。でも、まだまだ自分の中で満足はしていません。みんなが思い描くイメージを壊す役にも挑戦したい。――確かに、アイドルとしての印象が、一般的にはまだ強いかもしれません。"真野恵里菜"で検索すると、やっぱり一番にハロー!プロジェクトって出てくるんですね。そういうイメージに負けたくない。撮影現場で『アイドルだもんね』と言われることがあるんですけど、自分の中では、それはマイナスに捉えています。「アイドルだから愛嬌があればいい」とかそういうことじゃなく、ハロー!プロジェクトの看板を背負っているからこそ、「ちゃんとできるんだぞ」というところを見せたいですね。●つんく♂さんの決意には勇気をもらいました――ハロー!プロジェクトの時の経験で、お芝居をする上でも役に立っていることは?昔、ダンスが全然うまく踊れていなかった時に、つんく♂さんから「体に部分的に筋肉をつけたほうがいいよ」とアドバイスをいただいたことがありました。それで、「なにごともいきなり形から入っても無理なんだな」と思って。一個一個積み重ねていくと、ちゃんとモノになるということがわかったんです。種類は違っても、作り上げていく段階はお芝居でも一緒なんだなと感じました。――つんく♂さんといえば、先日、声帯摘出手術を受けられたことを公表されました。発表後、まだ直接お会いできていないんです。最初にそのことを聞いた時は、本当にびっくりしました。でもやっぱり勇気をもらいましたし、自分が今こうしていられることが、すごく幸せなことなんだと改めて気づくことができました。卒業したからには、やっぱり活躍している姿をつんく♂さんにも見てもらえるようになりたいですね。――押井監督をはじめてとして、『新宿スワン』『ラブ&ピース』『リアル鬼ごっこ』の園監督など、実力派の監督の作品への出演が続いています。何回も仕事をさせていただくのはとってもありがたいのですが、すごく不安もあります。今度お会いするまでに、どれだけ成長したか、どれだけ表現の幅が増えたかを見せなきゃって。それができないと、ずっとお仕事させていただくことはできないんだろうなと思うんです。――個性的な作品が多いですが、撮影に向けて「今回はこうしよう」とかテーマを決めて作品にのぞまれるんですか?逆に自分で色を決めないでいこうと思っています。やっぱり監督によって撮り方がぜんぜん違うこともあるので。「映像作品はこうやって撮るんだ」と、自分の中で決めちゃうと、対応しきれなくなると思うんです。だから、まっさらな状態でのぞみたいなと。最初は時間がかかり、監督にも「なかなかわかってもらえないな、真野は」って思われるかもしれないけど、少しずつ作り上げ、作品に合った色になりたいですね。――女優として、目指すところは具体的になってきましたか?まだ、到着点はわかりません。でも、そこに向けて歩いていけてはいるのかなと思っています。ハロー!プロジェクトを卒業した先輩たちが、バラエティ番組や舞台などで活躍している姿をたくさん見るんですが、私は映像作品で結果を残したい。――確かに、まだ映画賞などでも賞を獲っている印象はないですね。だから、映画賞が発表される時期になると新人賞の結果が気になりますし、「そういえば新人賞っていつまでもらえるんだろう」と考えたりします。――同世代の女優さんに対してもライバル心は強い?やっぱり意識します。「この役やりたかったな」って悔しい思いをすることもしばしば。この仕事をしていてちょっと後悔するのは、映画を見て作品自体を楽しめなくなっている自分に気がついた時です。でも、それは職業柄で、それだけ自分がこの仕事をやりたいと思っているんだろうなって。逆に、ほかの同世代の女優さんが見た時に、「この役、私がやりたかったな」と思ってもらえるようになりたいですね。インタビュー中、作品との出会いを、"運命"や"縁"という言葉で表現していた彼女。だが、その機会をつかみとることができたのは、幼いころからエンターテインメントのプロたちに囲まれ、ショーを段階的に作り上げていくメソッドを自分なりに身につけていったクレバーさと、高いパフォーマンス力を維持するプロ意識の強さ、そして闘志にも似た負けん気の強さ、さらにあふれる芝居への愛があったからこそだと感じた。映画賞の壇上で彼女の姿を目にする日は、そう遠くなさそうだ。プロフィール真野恵里奈1991年4月11日生まれ 神奈川県出身。2006年よりハロー!プロジェクトに所属。2008年にシングル「マノピアノ」でデビューし、2013年2月にハロー!プロジェクトを卒業。その後は映画やドラマ、舞台を中心に活躍。園子温監督の連続ドラマ『みんな!エスパーだよ!』、鴻上尚史氏が作・演出を務めた舞台『ベター・ハーフ』などに出演。(C)2015 HEADGEAR/「THE NEXT GENERATION –PATLABOR-」製作委員会
2015年05月05日●"3"という数字はいつも根拠があると思っている。押井守監督といえば、『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』『機動警察パトレイバー the Movie』そして『機動警察パトレイバー 2 the Movie』(以下、パト2)といった作品が真っ先に挙がるが、多数の実写映画も監督している。だがそれらは熱心な押井ファン以外にはあまり語られることがない。見る人を選ぶというか、趣味と思想に走り過ぎというか、とにかくその1本だけを見て監督の言わんとすることを読みとるのは難しい映画だ。押井監督の実写映画に対してファンが持つ期待感総量の約半分はこうした「わからなさ」の価値ではないだろうか。あの『パトレイバー』が実写化されると聞いた時も、そう思ったファンは少なくないだろう。しかしフタを開けてみれば、趣味と思想が随所に色濃く出ながらも、エンターテインメントとしてしっかり面白く、オールドファンへのサービスもあり、その上で"実写のパトレイバー世界"の魅力が見えてくるシリーズ作品となっていた。コメディ、アクション、特撮、ほろ苦い恋まで、特車ニ課という器にさまざまな味わいの作品が盛られたが、その最終話で我々は『パト2』の中心にいた人物たちの影を見ることになった。『パト2』と実写シリーズ、二つの線の重なりに押井監督は何を映しだしたのか。シリーズを締めくくる長編劇場版『THE NEXT GENERATION パトレイバー 首都決戦』公開を前に、お話を伺った。○シリーズ13本があってこそ描けるもの――今回はシリーズ全体の総監督を務められましたが、各話にはどのように関わっていらっしゃったのですか?演出家が何人かいる場合に上に立つ人間くらいに思われているかもしれないけど、もっと明快です。演出部と文芸部の人事権・決定権、仕上げ・音響に関する全ての権限、それと編集権。この作業に関する全ての権限を持つことを総監督制と言います。脚本の決定に関しては、誰に発注していつ上げるかも含めて全て総監督である僕が責任を持つ。3人の監督(※)も僕が選んだ。音楽に関しては川井(憲次)君と僕で全て決めました。カッティングに関しては最終的に僕が全部チェックして、それぞれの監督が編集した後で順番を入れ替えたり、カットすることもありました。ダビングも全て立ち会ってます。それと、第一話の監督は必ずやる。こういうものだと実際にやってみせ見せなきゃいけないから。(※シリーズ各話を担当した辻本貴則監督、湯浅弘章監督、田口清隆監督)頭の部分と締めの部分に関する全ての権限を持つのが総監督なんです。逆に言えば、中間の部分には介入しない。だから現場にも行くべきじゃない。今回の現場はその通りやらせてもらった。――各話の現場はそれぞれの監督にお任せだったんですね。途中の2話(※)と最終話も僕がやったけど、やらない方があの三人は喜んだと思う。一本でも多くやりたいのに、僕たちの出番が減るじゃないですかと。もっといえば、なぜ三人なのか、二人じゃいけなのかと。僕は二人では出来るわけはないと思ったから三人にした。四人だと多すぎて統一が取れなくなってしまう。(今回のシリーズ作品制作について)あの三人組に関して言えば、まあ、うまくいったかな。(※エピソード5『大怪獣現わる 前編』/エピソード6『大怪獣現わる 後編』)三人というのは微妙な数なんです。二人ならどちらが勝つか、どちらが前に出るかわかりやすい。三人は微妙に拮抗して、決着をつけなくて済む部分と、つけられない部分が両方出てくる。もっと言えば、一人が倒れても成立する数字。僕は3という数字はいつも根拠があると思っている。例えば『パト2』は、全部3が基準になっている映画なんだよね。三人だったり三機だったり、三カ所だったり。そういうところは、割といろいろ考えているんです。――今回の作品がシリーズ13本+長編1本という形になった理由は?最初から決まっていた。監督からすれば、シリーズを通してキャラクターを固定できて、お客さんがある程度中身を分かった上で(長編を)やるというのは、当然有利だから。最初に長編をやって後からシリーズをやるのは、アニメのパトレイバーがそうだったけど、通常はあり得ない。だから、ごく自然と決まった。●『首都決戦』がアニメだったとしても同じことをやった――シリーズ13本の積み重ねがあっての長編なんですね。もちろん。その方がはるかに作りやすいです。インフラができるから。道具や衣装というところ以外に、役者さんのインフラができる。自分の役をつかんだ上で映画に入れば、どんな違う部分を見せるか、という上乗せが効きます。○『パト2』と現在の"差分"――『パト2』は、東京で戦争を起こすことを徹底的に思考実験して組み上げたとのことでしたが、今回の『首都決戦』は現在の東京で再度それを行われたのでしょうか?いや、全然逆ですね。『パト2』の続編であって、リメイクでもリニューアルでもないんです。『パト2』で起きたクーデターの16年後の世界。その16年の間に何が変わったのか、どう変わったのか、何が変わっていないのか。16年経っても変えてはいけないものが果たしてあるのか。いわば"差分"です。最初から言っていますが、今回はその差分そのものを描くことがテーマ。ストーリーも変える必要がないんですよ。だからほとんど変わっていない。それに付き合っている人間たちが変わったんだという部分を中心に描いています。クーデターを起こすプロセスとか、展開のダイナミズムのようなものはやっていません。『パト2』ではそれを丹念に描いた。だから方向性は全く逆なんです。それはやはり16年経ってテーマが変わったから。同じようなシチュエーションで、アニメでやったことを映画で作り直したものでしかないわけ。(『首都決戦』が)アニメだったとしても同じことをやったと思う。繰り返すけど、何が変わっていないのか、何が変わったのか。変わっていいものと変わっていけないものは何なのか。それが全て。骨はそういうことです。後はみんな、映画としての"お肉"ですね。アクションだったり、キャラクターだったり。――『パト2』の続編として作ったのはなぜですか?最初からそう決めていたし、プロデューサーの要望でもあったので、利害が一致したんです。多分、(プロデューサーが)『パト2』を好きだったのかな。パトレイバーではいくつもアニメーションを作ったけど、どれが好きか10人に聞いたら6人は『パト2』と言うと思う。作った当時はコテンパンに言われたけどね。ただ、何年か経つとパトレイバーというと『パト2』になっちゃった。だから『パトレイバー』をちゃんと作ろうとした時に、全く(『パト2』と)無関係に違う事件を起こすか? と。特車ニ課は警備部だから、犯罪捜査はしないし、できない。犯人を逮捕する組織ではなくて、社会的な犯罪、テロと戦う組織なんですよ。その最大限のものがクーデターです。(『首都決戦』では)そういう意図はないけど、少なくとも国を根底から揺るがす、考えうる限り最大限の犯罪です。――『パト2』ではバックボーンとしてPKO協力法案の成立が描かれたり、毒ガスの飛行船が地下鉄サリン事件を思わせるなど、図らずも当時の時代を先読みしていた部分がありました。今回も昨今の無差別テロを思わせる描写が見られましたが、そうした時代性を取り入れることについてはどうお考えでしたか?それしか考える事はなかったよね……。今回はより一層テロの要素が前面に出ています。一番のポイントは"見えない"ということなんです。その象徴が見えない戦闘ヘリということ。テロの実態が見えない、もっと言えば動機すら分からない。つまり、"敵が見えない"んです。何となく察しがつくのは、もしかしたらあいつ遊んでいるんじゃないか、ということ。人の命どころか、自分の命も。そうだとして、無差別にミサイルや機関砲を撃ちまくることで遊び足りうるのかと。多分ね、足り得るんだよ。足り得る部分が"時代"なんだよ。日本でもしテロがあり得るとすれば、政治的な要求などではなくて、一人が勝手に戦争を始めることだと思うんですよ。すでに、現実に戦争をやっているヤツが出ている。通りがかりの人を刺しちゃったりね。それは言ってみれば彼らにとっての戦争なんだよ。戦争なんだから、動機なんて必要ない。●パトレイバーは20年連れ添った奥さんみたいなもの(『首都決戦』では)そういう怖さや不気味さがちょっと出ればいいなと思ったけど、基本的には痛快アクション映画というご要望だから、やりすぎない範囲の中で。実は物語としては、ぜんぜん決着ついていない。またやるかもしれないよ、きっと。死んでないんだもん。それ以前に、そもそも灰原って誰よそれ、と。誰でも灰原になりえる。それは、今日性みたいなことを言うのであれば、そこのところにちょっと込めただけ。やりすぎると、たぶん楽しくない映画になる。いやな気分にならない範囲で見せるために、ああいう女の子にしたわけ。――"見えない戦闘ヘリ"グレイゴーストとイングラムの対決は見せ場の一つでしたね。CG描写のクオリティはご覧になっていかがでしたか?かなりやれたと思うよ。がんばったと思うし、うまくいったと思う。自分としては都庁上空のコブラの空中戦や、F2(が見せ場)ですね。F2も地味だけど実は大変なことをやってるんです。あとは中盤の突入シーン。アクションとしては長いんですけどね。ただ、撮影で一番面白かったのは冒頭のシーン。お金も時間もかかったけど、けっこううまくいったと思う。具体的にしていないけど中東のどこかという設定。もちろん国内で撮影したんだけど、大変だった。スタッフが(笑)。ロケセットを組むのに一週間以上かかって、実際に撮影したのは5時間くらい。たった3、4時間の撮影をするのにけっこうな人数が泊まり込んで準備をして、しかも後片付けにまた3、4日かかっている。それが映画なんだよね。金がかかりすぎると反対もあったけど、今回の映画は外国から始めたかったから、どうしても必要だった。外国から日本に入ってくる、外側の目が欲しかったから。○シリーズなら多分無限にできる――シリーズのエピソード5/6をとても楽しんで作っていらしゃった印象でした。映画よりもシリーズの方が、いろいろなことをできる。いっぱい楽しみたいから「シリーズ」というのは魅力です。だから、どちらをやりたいかと言われたらけっこう悩むと思います。シリーズなら多分無限にできる。無限といったら嘘だけど、『CSI:科学捜査班』のようにシーズン12や13くらいはできると思う。……その前に飽きるかもしれないけど(笑)。――まだシリーズの続きを楽しみにしてもよいということでしょうか?それは、やれといわれれば僕はいつでもやります。この映画が大ヒットすることがあればプロデューサーや偉い人たちが考えるでしょう。その時にまた僕が監督として呼ばれるかどうかはまた別の話ですが。でもまあ、多分、いったん僕の中で終わったんです。もしやるとしてもまた頭から考え直すしかない。ただ、確かに映画を作るという仕事は、他の何にも増して楽しいことには違いない。ああやって時々は休みながら、映画を作って生きていけるのなら、言うことはないと思うよ。だからみんなやっているんだよね。生活苦と戦いながらでも。――監督にとってパトレイバーとはどういう作品ですか?一番長くやっている仕事。実写の映画までやるとは思っていなかったけど、なんだかんだで20年以上。数もやったし、お客さんも一番入って、そういう意味では一番お金ももらった。好きとか嫌いとかいう感覚はもうなくなっているね。自分の身体の一部のような感じで、違和感がないんだよ。特に愛情があるかというとそういうワケでもない。20年連れ添った奥さんみたいなもので、もちろん好きだけど愛しているかどうかというと微妙だよね……というと怒られるんだろうけど(笑)。そういう感情を超えてしまっている。だから20年経っても平気で作れるし、また20年後にも平気でできると思う。『THE NEXT GENERATION パトレイバー 首都決戦』は、2015年5月1日より新宿ピカデリー他全国の劇場で公開される。『パト2』からのファンにとっては、20年以上を経て意外な形で続編を目にする日がやってきた。劇場へ見に行く前に『パト2』をじっくり見直しておくとより楽しめるだろう。また、実写のキャラクターや特車ニ課の立場といった『首都決戦』の前提として、可能な限りシリーズ作品を見ておくことがおススメだ。(C)2015 HEADGEAR/「THE NEXT GENERATION –PATLABOR-」製作委員会
2015年04月30日東京・池袋にある映画館「新文芸坐」のオールナイトプログラムとして、「押井守映画祭2015」の第3夜が4月25日に開催され、ゲストとして同監督作品にも多数出演している声優の古川登志夫と千葉繁が登壇することが決定した。本イベントは、今回で67回を数える「新文芸坐×アニメスタイルセレクション」の一つとして実施。これまでにも国内のアニメーション作品を中心に上映を行うとともに、第一線で活躍する制作関係者を招いてトークショーを開催し、話題のプログラムとなっている。「マニアック編」と題し今回上映されるのは、押井監督実写第一作にして千葉が主演を務めた『紅い眼鏡』(1987年)。実験的スタイルが特徴の不条理OVA『トワイライトQ/迷宮物件FILE538』(1987年)。古川が主演し、千葉が録音監督を担当した劇場アニメ『MAROKO麿子』(1990年)。全編ポーランドロケを敢行したVFX映画『アヴァロン』(2001年)の4本。中でも、『紅い眼鏡』は「仏語字幕版」での上映が決定。これは当時、カンヌ映画祭出品のために準備され、諸般の事情でお蔵入りになったもの。昨年春にキネカ大森30周年記念で初めてお披露目されただけで、まさに「マニアック編」にふさわしい、押井監督作品ファンにはたまらない一本となる。今回トークショーに登壇する古川と千葉は、押井監督の人気シリーズ『うる星やつら』や『機動警察パトレイバー』などにもレギュラーとして参加。監督の人となりや知られざる演出術などが語られるという。イベントは、開場22:15/開演22:30(終演予定6:05)。料金は一般3,000円/前売り・友の会2,800円で、前売り券は劇場窓口・チケットぴあにて、3月28日より販売が開始される。(C)1987押井守/オムニバスプロモーション(C)2000 Mamoru Oshii and Avalon Project. All Rights Reserved.
2015年03月26日『機動警察パトレイバー』の実写プロジェクト『THE NEXT GENERATION -パトレイバー-』より、本作の押井守総監督がホストを務めるトークショー第5回「マモルの部屋」が、10月30日に東京・新宿ピカデリーにて開催されることが明らかになった。アニメシリーズで篠原遊馬を演じた古川登志夫、泉野明役の冨永みーな、実写化シリーズでも同役で出演中のチバシゲオ役千葉繁の3人がゲストとして登場する。「マモルの部屋」は、『THE NEXT GENERATION -パトレイバー-』の各章公開と共に行われているトークショーで、「第1章」時はアニメシリーズから続くキャラクターチバシゲオを熱演している千葉繁氏、「第2章」時は『機動警察パトレイバー2 the Movie』のCGプロデューサーでもある宮下俊氏と『機動警察パトレイバー2 the Movie』のプロデューサー・石川光久氏、「第3章」時には『踊る大捜査線』シリーズの本広克行監督、「第4章」時は盟友・鈴木敏夫氏が登壇。『THE NEXT GENERATION -パトレイバー-』公開とともに開催される名物企画となっている。第5回に登場する古川登志夫と冨永みーなは、第3章のエピソード5「大怪獣現わる・前編」内にてラジオパーソナリティ役として出演。千葉繁を含めた3人は『うる星やつら』(1981年)への出演経験もあることから押井監督とは長い付き合いで、アニメシリーズ/実写化シリーズ双方の押井監督を知るベテラン声優3人が、裏話や『パトレイバー』制作秘話を語り尽くすという。詳細は、公式サイトまで。『THE NEXT GENERATION パトレイバー』は、これまでTVアニメ、OVA、コミック、小説、劇場版など幅広い展開を続けてきた『機動警察パトレイバー』シリーズ初の実写作品。初期OVAや劇場版1・2を手がけた押井総監督が新たな世代の"特車二課"の物語を全7章と長編劇場版を完全新作で制作している。10月18日からは、エピソード8「遠距離狙撃2000」とエピソード9「クロコダイル・ダンジョン」から構成された『第5章』が公開される。(C)2014 HEADGEAR/「THE NEXT GENERATION -PATLABOR-」製作委員会
2014年10月16日映画『アサルトガールズ』に主演した女優の黒木メイサ、共演の菊地凛子、佐伯日菜子、押井守監督らが12月19日(土)、東京・テアトル新宿で初日舞台あいさつを行い、今年1年をふり返った。2009年を表現する漢字1文字を披露する時間が設けられ、黒木さんは「走」と書いた色紙を見せ「1年間走ってきた、という感じなので。あと、今年は自転車にハマりましたのでそれもひっかけて」とサラリ。菊地さんは「楽」で「ラク、ではなく楽しい、です。楽しい年にしたいと思い楽しもうとして楽しく過ごせたから。ウフフ」と充実の笑顔。自分にご褒美をあげるなら?の司会者の質問に「お食事券がいいな。私の中でいま、モツ鍋がブームなので10回行けるくらいほしい」とおねだり。佐伯さんは「始」で「いろいろ始まった年だった。超プライベートでは子供の小学校生活が始まりました」と報告した。押井監督は、「身」と書いた色紙を見せると「今年最大の事件というか成果は、黒帯を取ったこと。55を過ぎて始めて、人には言えない精進を重ねて3年目でようやく取った。これから映画は身体で作るんだと。いままでは頭で作ってきた。この作品は自分に正直に作った映画。評価を正直に知りたい。いいならまたこういう映画。ダメならまた『イノセンス』みたいな陰湿な世界に退避します」と笑わせ、拍手を贈られた。同作は、黒木さんら扮する美女ハンターが、仮想空間“アヴァロン”で巨大モンスターと戦うファンタジー・アクション。菊地さんは「3人のハンターがコミカルに戦っています。一度も現場でお会いしていないのに、さも一緒にやったかのようになっています」とCG技術をPR。押井監督は「映画は女優のモノだとしみじみ感じた」と締めくくり、再び観客の笑いを誘った。テアトル新宿、池袋テアトルダイヤほか全国にて公開中。(photo/text:Yoko Saito)■関連作品:アサルトガールズ 2009年12月19日よりテアトル新宿、池袋テアトルダイヤほか全国にて順次公開© 2009八八粍・デイズ/ジェネオン・ユニバーサル・エンターテイメント■関連記事:黒木メイサ インタビュー「人との関わりの中で作っていく楽しさがやっと分かってきた」押井守ファン必見!『アサルトガールズ』公開記念企画の大賞賞品を監督が直々に決定黒木メイサ、押井守のオヤジギャグに動じず芸能レポーターの質問にも動じず黒木メイサ、獅童との交際への執拗な質問もクールにかわす!『アサルトガールズ』会見押井守最新作!黒木メイサ主演『アサルトガールズ』予告編到着
2009年12月19日