日比谷野音ライブまであと数週間――。結成35周年を迎えるガールズパンクバンド・ロリータ18号の35年の変遷を辿る
マサヨはもちろんだけど、エナチ(エナゾウ)、キム☆リン、アヤ坊のバンドとして固まっている楽しそうな感じがいいなと思っていました。ただ、マサヨは忙しいのがあんまり向いていないところがあって、結構大変そうにも見えたかな。マサヨ「これ、いつ曲を書くんだろう」っていう忙しい日々で。人間ってテンパるのが極限まで行くと、周囲の迷惑とかも考えられなくなるけど、まさにそんな次元でした。
――メジャーと契約するバンドの中には「商売だからディレクターやプロデューサーが求める楽曲を作ればいいんだ」「そうすれば売れるんだから」と頭を切り替える人たちもいます。音楽をビジネスとして考えるのなら正しい姿勢ですが、おそらくロリータ18号はそういった器用な感じはなかったんじゃないかと思います。
マサヨそう。当初は私も「メジャーと契約するっていうことは、そういうことだ」「私にもできる」とマジで思っていたんです。
自分の中では「うまくヤレている感」を持っているんだけど、でも全然ダメ。追い詰められるとダメだし、嘘がつけない。
――でも、その嘘をつけない感じが、ロリータ18号を支持し続ける人には一番の魅力でもあって。逆に言えば、35年も休むことなくバンドが続いたのは、その感じが理由のひとつでもあるように思います。