2021年12月14日 12:00
松山ケンイチ、約4年ぶりの舞台主演『hana-1970、コザが燃えた日-』 で表現したい「人の幸せの生まれるところ」
大人になってから仕事で、ロケで行ったのが初めてだったんですよね。その際に沖縄戦の慰霊碑“ひめゆりの塔”を訪ねて、平和祈念資料館などを見て回ったんですが、どうにも途中で苦しくなって、全部は見きれなかった。あまりにも悲惨過ぎて……。だから自分の中では沖縄は、リゾート地といったイメージはないですね。
――そうした場所を訪れたのは、その土地で起こったことをしっかり見ておきたい、という気持ちからでしょうか。
そうですね。ひめゆり学徒隊を題材にしたドラマとか、いくつもあるじゃないですか。そういうのを観たというのもあったと思います。
自分が『男たちの大和/YAMATO』(05年)という映画に出させていただいたこともあって、関心があったんですよね。
約4年ぶりの舞台、初挑戦の会話劇
――松山さんが演じる主人公、“ハルオ”について教えてください。
アシバー、というのはやくざのことですね。ハルオはアシバーなんだけど、いわゆる“やくざ”のイメージとはちょっと違って、優しい人だなと思いました。そして、いっぱい傷ついてきた人ですね。この物語に出てくる人は、傷ついた人ばかりなんですけど、。この頃の沖縄は都市と比べて、まだ戦後の名残があって全然傷は癒えていない、そんな悲惨さが漂っていて。