くらし情報『《SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2020》閉幕。授賞式は女性監督の躍進を印象付ける結果に』

《SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2020》閉幕。授賞式は女性監督の躍進を印象付ける結果に

セーダル監督同様に来日が叶わなかったナザロワ監督は「私は日本が大好き。詩をはじめあらゆる日本の伝統的な文化を私は愛しています。ですから、日本での受賞は私にとってとても大きなことです。いつの日か日本を訪れたい」と喜びをビデオメッセージで伝えた。

国内コンペティション部門に目を転じると、長編部門がアンシュル・チョウハン監督の『コントラ』、短編部門が藤田直哉監督の『stay』がそれぞれ優秀作品賞に。国内作品を対象に、今後の長編映画制作に可能性を感じる監督に対して授与するSKIPシティアワードは、国内作品で唯一国際コンペティション部門に選出されていた『写真の女』の串田壮史監督が手にした。

今回の開催を振り返ると、コロナ禍でも起きている人間同士の分断、あるいはジェンダーの問題、社会の多様性など、いままさに目を向けるべき問題を体感する機会になったといっていいかもしれない。それほど入選作品には、今の時代を色濃く反映し、今の社会や人間の在り方を問う力作が並んだ。
審査委員長の澤田正道氏も総評で「女性監督の作品をもっと推薦すべきだという意見を映画祭でも業界でも聞く。しかし、本映画祭で改めて実感したのは、女性監督の作品がすでにしっかりと根をはってきていること、女性・男性という考えが徐々に昔のことになっていこうとしていること。

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