2023年3月2日 18:00
片桐はいり×岡田利規 対談 喫茶店上演の『あなたが彼女にしてあげられることは何もない』
都市の中に埋没している、喫茶店でひとりでコーヒーを飲んだりしている普通の人がいる。でも、その人の心の中は外から見ているだけではわからない。もしかしたらヤバいこと考えているかもしれない。でも、もしそうだとしてもそんなこと、そこまで特別なことじゃないですよね? そんな状況、わたしたちの周りには溢れかえってますよね?……みたいなことをやりたかったんです。
『タクシードライバー』の場合は、主人公のヤバさが、その後の展開で髪型がモヒカン刈りになったりしていってどんどん顕在化していきますけど、この作品はその手前の状態で留まり続ける。留まり続けているけどヤバい、みたいな作品というイメージでいました。でもはいりさんがやると、その一線を越えていくおもしろさもアリだなというふうに変わってきてますね。片桐「目立たないようにして、埋もれていたい人」と岡田さんには言われたんですけど、「こういうことやったらおもしろいだろうな」という想いも、自分の中にはあるんですね。
ほんとに埋もれていたい人であるのと同時に、それとは裏腹の、モヒカンになる可能性も、ちょっと秘めたいわけじゃないですか。私も、この人ほどではないですけど、子どもの頃は、こういう(天地創造系の)