尾野真千子の息子役に抜擢の高校1年生、和田庵「スケボーとお芝居が好き!」
そこで、ある人をやっつけようとして、僕がそれを止めに入るのですが、そのとき、尾野さんが対峙する相手に「おい」って言うんですけど、ものすごい気迫で。そのひと言だけで、神社の鳥たちがバサバサ!って飛んでいくくらいの迫力が、現場全体に伝わりました。僕はそれを止めなくちゃいけないので、自分も同じくらいのテンションまで持っていく必要がありました。あのときは、自然に息遣いも荒くなっていたと思います。
『茜色に焼かれる』(C)2021『茜色に焼かれる』フィルムパートナーズ
――とても迫力あるシーンでした。ちなみにクランクインはどのシーンから?
おじいちゃんに会いに老人ホームへ行って、目の前からリモートで話す場面です。基本、石井監督は僕が質問しない限りは、アドバイスはあまりないのですが、そのとき、最初に「間を大切にするように」と言われました。それまでは僕、“間”について意識したことがなかったんです。
というか、むしろ間を取るのが苦手でした。間を取ると申し訳ないような気がして、自分のセリフが来たらすぐに言う感じだったんです。クランクインのときも、たぶんそうだったのですが、石井監督からアドバイスされて。
――では、そこから演じることへの意識が変わったんですね。