【峯田和伸ロングインタビュー】『越年 Lovers』撮影裏話や大好きな映画・音楽の話まで
でも、基本的に「これをやって欲しい」というよりは、「これはやらなくていいですからね」みたいなところでの会話だったような気がします。
――例えば、どんなことですか?
例えば、写真館の前を3往復するシーンのときに「3往復の途中で立ち止まるのは全然OK。任せます」みたいな。
それで、自分の気持ちのままにやって見せて監督が面白いと思ってくれたら「OK!」という感じだったんですけど、自分が思う、これはたぶんNGじゃないんじゃないかな~っていう芝居をけっこう自由にやれたと思っています。
――クライマックスの撮影はどんな感じだったんですか? バーっと歩いて行った碧が戻ってきて寛一を転倒させますが、あの一連は、女性の方が結局仕掛けたような感じに見えます。
この映画の3つのエピソードに出てくる男たちはみんなダメですよね。
女性をいきなりぶっ叩いたり、何を考えているのか分かんない男しか出てこないけれど(笑)、原作者が女性だから、どこかそこには女性目線もあるんでしょうね。
これが、例えば夏目漱石だったらまた違うと思うんですよ。
どこか男目線で、玄関に毎日毎晩同じ女が立っているみたいな感じになっていたかもしれない(笑)。