くらし情報『「答えじゃなく共感をくれる、演劇というツールの特性が生かされた作品です」~ミュージカル『next to normal』演出家・上田一豪インタビュー~』

「答えじゃなく共感をくれる、演劇というツールの特性が生かされた作品です」~ミュージカル『next to normal』演出家・上田一豪インタビュー~

で上演されたダイジェスト版より(写真提供:東宝演劇部)
フルバージョンのお話をいただいた時も同じで、バイブルのような作品だけに、僕にとっては大きなチャレンジでした。僕はどんな海外作品も、素晴らしい部分を損なうことなく、かつ日本のお客さんにちゃんと届くものにするためにはどうしたらいいかを考えて演出するんですが、この作品をそういうものにできる確固たる自信はなかったです。

――でも出来上がった2022年版は、まさにブロードウェイ版の素晴らしさを損なうことなく、日本人の心にはブロードウェイ版以上に届く舞台だったと思います。

日本人が観た時に、“知らない人の話”じゃなく“自分と地続きの話”としてキャッチできるように、というのはすごく意識したところなので、そうなっていたなら良かったです。外国の物語を日本人が観る時って、それだけでちょっと俯瞰しちゃうものだし、この作品は双極性障害というテーマを扱っているから、よりそうなりがちだと思っていて。でも双極性障害の症状だけでは、感受性が豊かな人と病気を持ってる人を見極めるのは難しいんですよね。特殊なことではなく地続きの人間たちの物語に見えるように、どの言葉がどのタイミングで、どういう温度でお客さんに届くべきか、というところはかなりこだわらせてもらいました。

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