岩谷翔吾、親友・横浜流星と二人三脚で叶えた作家デビュー「ただただ流星と一緒に面白いことがしたかったんです」
とかなり具体的に目の前で再現してくれて。流星がその場で演じたものを僕が文章にしていったという感じで。特に台詞に関しては流星が半分以上書いたと言っても過言じゃないくらいです。
――きっと横浜さんの中でしっくり来る台詞回しみたいなものがあったんでしょうね。
たぶん彼の中ではっきりとイメージが見えていたんだと思います。最初は亮だけだったんですけど、そのうち亮の親友である匡平だったり、恋人の美雨も「ここはこういう台詞回しで」「ここはこういう所作で」と実際に流星がやってくれて。二人三脚でつくった、という表現がバッチリ当てはまる作品になりました。
――読ませていただいて、非常に情景描写が細かく鮮やかだなと思ったのですが、エチュードをもとにした執筆だったことが、その背景にあるのかもしれませんね。
基本的にいつも流星の家で話していたんですけど、流星が即興でやる演技を脳内録画する感覚でした(笑)。時には部屋の間取りを書き起こして、亮や美雨の動きを絵にしたのを家に持って帰って、それを見ながら書くということもありましたね。
亮と匡平という名前は流星がつけました
――横浜さんの原案によってスタートした作品ですが、岩谷さん自身は社会のどん底で這いつくばるように生きる亮や、彼の行き着く裏社会に共感はあったんでしょうか。