吉柳咲良「私の感情は出さない。ミサミサとして舞台に存在したい」
「アイドルというたくさんの人の愛を一身に受ける存在のミサミサが、なぜキラに執着するのか、恋をしてしまうのか、自分の身を滅ぼす寸前まで守りたいと思うのか……。恋愛に命を懸けるって、なかなかできないですよね。両親の敵を討ってくれたとはいえ、自分の身を顧みずに相手を想い続ける実感がわかなくて。でもまだ私にはわかりきれていないミサミサの考えが沢山あるので、これから少しずつ理解していきたいです」
理解している途中にいるとはいえ、ぼんやりとしたミサミサ像は、心の中で徐々に形になりつつある。
「私はミサミサがアイドルとして魅せる陽の部分よりも、抱えている闇の部分のほうが、たぶん出せるんじゃないかな。私自身が深い闇を抱えているとかではないんですけど、『かけ離れているな』と感じる部分はミサミサの陽の部分なんです。女の子らしいという言葉には縁遠かったので、私にとって海砂の衣装や可愛い仕草もまた挑戦なんです。だからミサミサのアイドルとしての、可愛い女の子としての部分よりも、内側にある部分の方が、私は共感できるものが多いと思います。
この3年間、舞台や映画と色んな経験をさせていただいて、楽しいことはたくさんあったけど、もちろん悩んだことや辛いこともたくさんあったので、きっかけは何にせよ、何かを秘めていることに関しては、共通点があると思うんです。